→BOOKSTOREトップへ

工業用プラスチックフィルム

南 智幸、小坂田 篤 共著
B5判:総頁数366頁
定価:本体\6,780(税別)
送料:別途
発刊:1991年3月5日

工業用プラスチックフィルム

発刊にあたり
 日本の産業は、1960年代高度成長期の「量の時代」からこれに続く「質の時代」へ、い わゆる「重厚長大」から「軽薄短小」へと、苦難の道ではありましたがスマートに転換してき ています。産業の中心であった鉄鋼、造船、繊維といった基幹産業が徐々に落ち込んでいき、 IC(集積回路)、OA機器、VTR、そして医薬品、新素材のような高度な科学(サイエンス)と 化学(ケミストリー)に基づく高付加価値製品群が急進してきました。
 こうした状況の中でプラスチックフィルムは、包装、農業から電気、磁気など幅広い分野で 多種多様なかたちで使用されています。特にポリエステルフィルムに代表される工業用フィル ムは、その基材性能に加えて二次、三次加工技術により付加された性能が製品性能として発 現される場合が多く、オーディオ産業、ビデオ産業、プリント基板など、「質の時代」を支え る先端産業に不可欠の材料として、時代の変換を担いながら急成長してきました。それに伴い、 日本のプラスチックフィルムの生産量は、米国に次いで世界第2位となり、ビデオテープのよ うに完全に世界市場を席巻する分野も多出してきています。
 本書は、各産業分野で今後一層の活用が期待されているポリエステル、ポリイミドなどの工 業用フィルムについて、各フィルムの製品概要を記し、さらにフィルム化技術、各種加工方法、 評価方法、諸性質等を解説したものです。初歩のプラスチックフィルムの知識で理解できる内 容をベースにし、さらに文献・特許から研究動向、応用分野での使用状況についても言及し、 実務的専門書としての内容も備えています。
 内外を見ても、工業用プラスチックフィルムの最近の成果、動向をまとめた書物はほとんど なく、本書がフィルムを製造、加工または利用する立場の諸氏にとって極めて有用な資料とな ることは確実です。
(株)加工技術研究会

目次

序文
第1章 概要
1. 工業用フィルムとは何か
2. 汎用フィルムの整史
3. 工業用フィルムの歴史
第2章 工業用フィルムの市場
1. 概論
2. 磁気用
 2.1磁気テープ
 (1)構成と製法
 (2)ベースフィルム
 (3)表面特性と摩擦特性の両立
 (4)スティフネスの向上による薄膜化
 (5)市場と今後
 2.2 フロッピィディスク
 (1)構成と製法
 (2)特性と市場動向
3. 電子・電気用
 3.1 電気絶縁
 3.2 電線・ケーブル
 3.3 コンデンサ
 3.4 FPC(フレキシブルプリント配線板)
 3.5 テープ・キャリア
 3.6 ドライフィルムレジスト
 3.7 メンブレンスイッチ
 3.8 備光フィルム
 3.9 圧電・焦電フィルム
 3.10 静電・電磁波シールド
 3.11 透明導電フィルム
 3.12 その他
4. 一般工業用
 4.1 製版・製図
 4.2 OHP
 4.3 熱転写リボン
 4.4 スタンピングホイル
 4.5 ラベル・表示板
 4.6 粘着テープ
 4.7 離型フィルム
 4.8 金銀糸
 4.9 装飾用
 4.10 その他
5. 写真用
 5.1 銀塩写真フィルム・レントゲンフィルム
 5.2 インスタントカメラフィルム
 5.3 電子写真フィルム
 5.4 その他
6. 車輌・航空機用
 6.1 熱線カットフィルム
 6.2 飛散防止フィルム
 6.3 その他
7. 建築用
 7.1 化粧板用
 7.2 防水・防湿用
 7.3 面状発熱体
 7.4 その他
8. その他
 8.1 農業用
 8.2 その他


第3章 工業用フィルムの種類
1.ポリエチレン・テレフタレート(PET)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ
 (3)物性
 (4)用途
2. ポリイミド(PI)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
3. ポリカーボネート(PC)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
4. ナイロン(Ny)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
5. ポリスルホン(PSO)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性
 (4)用途
6. ポリエーテルスルホン(PES)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性
 (4)用途
7. ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性
 (4)用途
8. ポリエーテルイミド(PEI)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性
 (4)用途
9. ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム
 (1)構造・製膜
 (2)メーカ・製品
 (3)物性
 (4)用途
10. ポリアリレート(PAr)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性
 (4)用途
11. ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
12. ポリエステルエーテル(PEE)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ
 (3)物性・用途
13. ポリアミドイミド(PAI)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
14. 弗素樹脂フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
15. 全芳香族ポリアミド(APA)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
16. ポリパラバン酸(PPA)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
17. ポリオキサジアゾール(POD)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ
 (3)物性・特徴
18. ポリヒタントイン(PHY)フィルム
 (1)構造
 (2)メーカ
 (3)物性・特徴
19. ポリウレタン(PU)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
20.アクリル系フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
21. ポリビニルビチラール(PVB)フィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途
22. 等方性塩ビフィルム
 (1)構造・製法
 (2)メーカ・製品
 (3)物性・特徴
 (4)用途

第4章 工業用フィルムの製造技術
1. 概論
 1.1 結品性と非結晶性
 1.2 溶融製膜と溶液製膜
 1.3 延伸
   (1)無娃伸と延伸
   (2)高分子フィルムの廷伸
   (3)各種フィルムの廷伸効果
   (4)逐次二軸延伸PETフィルムにおける延伸効果
 1.4 熱処理
   (1)各社PETフィルムの熱処理温度の推定
   (2)機械的性質の変化
   (3)熱収縮率の変化
   (4)熱処理による構造変化
   (5)リラックスの効果
2. 原料と重縮合
 2.1 フィルム用原料ポリマー
 2.2 ポリエチレンテレフタレート
 2.3 ポリイミド
 2.4 その他
3. フィルム化技術
 3.1 溶融押出し法
   (1)Tダイ法
   (2)インフレーション法
 3.2 カレンダ法
   (1)カレンダ設備全般
   (2)カレンダロール
   (3)クラウンとその補正機構
 3.3延伸法
   (1)フラット法同時二軸廷伸
     各延伸法の比較
     同時二軸延伸技術
   (2)フラット法逐次二軸延伸
     逐次二軸延伸技術
      縦延伸
      横延伸
      熱処理
   (3)その他のプロセス
     インライン加工
      表面特性の創作
      厚み測定、自動化
      巻取り
      スリット
      再生装置
 3.4 溶液流延法(キャスティング法)
   (1)原理と漏過
   (2)乾湿式キャスティング
   (3)後工程
 3.5 弾性率の向上
   (1)高弾性率化の意義
   (2)線状高分子の理論的弾性率とフィルム弾性率の差
   (3)異方性フィルム
   (4)等方性フィルム
 3.6 薄膜化
   (1)薄膜化の意義
   (2)薄膜フィルムの製造法
   (3)積層剥離法
   (4)ラングミュア・プロジェット膜法
   (5)薄膜フィルム製造・加工上の克服点

第5章 工業用フィルムの性質
1. はじめに
2. 機械的性質
 2.1 引張強さ、伸び
 (1)温度・湿度依存性
 (2)延伸・結晶化による影響
 (3)樹脂グレード・成膜方法・成膜条件による影響
 2.2 弾性率、腰の強さ、F?5/値
 2.3 引裂強さ、破裂強さ
 2.4 衝撃強さ
3. 寸法安定性
 3.1 熱膨張
 3.2 湿度膨張
 3.3 永久的な寸法変化
 3.4 熱収縮性
4. 熱的性質
 4.1 ガラス転移点、融点、耐熱軟化性
 4.2 耐熱性
 4.3 耐寒性
 4.4 燃焼性
5. 化学的性質
 5.1 吸水性
 5.2 透湿性
  (1)温湿度依存性
  (2)結晶化度および配向の影響
  (3)真空蒸着フィルムの透湿性
 5.3 ガス透過性
  (1)温度、湿度依存性
  (2)結晶化度および配向の影響
  (3)金属蒸着フィルムの効果
 5.4 薬品安定性
6. 電気的性質
 6.1 絶縁特性
 6.2 誘電特性
 6.3 耐コロナ性
 6.4 極低温における特性
7. 光学的性質
 7.1光線透過
  (1)吸収・散乱
  (2)反射・屈折
  (3)複屈折
 7.2 光沢特性
 7.3 紫外線透過、赤外線透過
 7.4 光による劣化
  (1)紫外線による劣化
  (2)フィルムの光劣化
8. 表面特性
 8.1 フィルム表面の平滑性、凹凸
 8.2 摩擦特性
 8.3 摩耗特性
 8.4 表面硬度
9. 均一性
 9.1 厚みの均一性
 9.2 巻姿欠点
  (1)平均硬度、硬度ムラ
  (2)かたすじ
  (3)しわ
  (4)すだれ
  (5)くばみ、ベコ
  (6)へりだか
  (7)まよい巻き
  (8)うつり巻き
  (9)層乱れ
  (10)年輪(幅変)
  (11)いなずま(スポーキング)
  (12)ばり(シャイナ)
  (13)つぶ
  (14)ピラミッド
  (15)帯電ムラ
  (16)花ビラ
 9.3 表面欠点
  (1)異物
  (2)変ポリ
  (3)綿状白はん
  (4)穴あき
  (5)気泡
  (6)タレータ
  (7)かたきず
  (8)すりきず
  (9)うもう
  (10)横ダン(粘度ムラ)
  (11)色流れ
  (12)白すじ
  (13)オリゴマ付着物
  (14)汚れ
  (15)虫混入

第6章 工業用フィルムの加工
1. 表面処理
 1.1 接着における界面化学
 1.2 フィルムの表面改質法
2. 熱接合(シール)
 2.1 ヒートシール
 2.2 インパルスシール
 2.3 高周波ウェルダ
 2.4 超音波接合
 2.5 電磁誘導接合
3. コーティング
 3.1 コーティングの目的とコーティング剤の種類
  (1)概要
  (2)溶剤型接着
  (3)粘着剤
  (4)ホットメルト接着剤
  (5)耐熱型接着剤
  (6)硬化型接着剤
 3.2 コーティング方式
  (1)概要
  (2)溶剤型接着
  (3)粘着剤
  (4)ホットメルト接着剤
  (5)耐熱型接着剤
  (6)硬化型接着剤
 3.3 コーテッドフィルムの物性と応用例
  (1)磁性コーティング
  (2)ホットスタンピングホイル
  (3)ハードコーティング
  (4)帯電防止コーティング
  (5)熱転写リボン
  (6)感光性フィルム
4. ラミネート
 4.1 ラミネートの目的と相手基材の種類
 4.2 ラミネート方式
  (1)ドライラミネート
  (2)ウェットラミネート
  (3)押出しラミネート
  (4)ホットメルトラミネート
  (5)共押出しラミネート
 4.3 ラミネートフィルムの物性と応用例
  (1)窓ガラス用フィルム
  (2)フレキシブルプリント配線板
  (3)表示デバイス
  (4)複合包装材
5. 印刷
 5.1 印刷方式
  (1)グラビア印刷
  (2)フレキソ印刷
  (3)スクリーン印刷
  (4)ドライオフセット印刷
 5.2 インキ
  (1)概要
  (2)インキの進歩
6. 金属蒸暑
 6.1 蒸着の目的と蒸着方式
  (1)蒸着法の概要
  (2)真空蒸着法
  (3)EB(電子ビーム)蒸着法
 6.2 蒸着フィルムの物性と応用例
  (1)蒸着膜厚
  (2)蒸着膜の付着力
  (3)光学的性質
  (4)水蒸気およびガスバリア性
  (5)包装用
  (6)コンデンサ
  (7)金銀糸
  (8)熱線遮断、飛散防止
  (9)磁気材料
  (10)ドライピールフィルム
7. スパッタリング
 7.1 スパッタリングの方式
  (1)スパッタリング法の原理
  (2)マグネトロンスパッタリング法
  (3)反応性スパッタリング法
 7.2 スパッタリングフィルムの物性と応用例
  (1)透明導電フィルム
  (2)ソーラーコントロール
  (3)磁気材料
  (4)プリント基板
8. 紫外線硬化・放射線硬化
 8.1 紫外線硬化
  (1)概要と方式
  (2)紫外線硬化の応用例
 8.2 電子線硬化
  (1)概要と方式
  (2)放射線硬化の応用例

第7章 将来展望