TOPページ

お申込みフォーム
フィルムベースエレクトロニクス

ハイバリアフィルムセッション : 2012年2月15日(水)
透明導電フィルムセッション : 2012年2月16日(木)

セッション内容

 ハイバリアフィルムセッション

2012年2月15日(水)

◆ エレクトロニクス用ハイバリアフィルムの現状と課題

  明治大学 理工学部応用化学科 教授 永井 一清氏

11:00〜12:00

【講演要旨】
有機ELや太陽電池、電子ペーパーや液晶等の電子デバイス製品の基板には、ガラス材料が使用されてきた。ここにプラスチック材料を使用すればフレキシブル化が実現する。プラスチック材料は軽量化や耐衝撃性等でもガラス材料よりも優れるため、必ずしもフレキシブル性を求める用途だけに使用されているわけではない。現在の基板はガラスであるが、それにプラスチックが加われば応用分野の展開、ひいては市場の拡大につながるものと考えられる。しかしながら、ガラス基板と比較してプラスチック基板は、耐熱性や酸素ガスおよび水蒸気のバリア性等において劣っている。特にデバイスとしての寿命を考えると、プラスチック基板へのバリア性の付与は極めて重要な課題である。ガラスは完全なガスバリア性を有しているが、プラスチックはガスを透過させてしまう。本講演では、エレクトロニクス用ハイバリアフィルムの現状と課題について、国際標準化の動向とともに講述する。

<プロフィール>
信越化学工業(株)シリコーン電子材料技術研究所、米国ノースカロライナ州立大学工学部、オーストラリア政府研究機関CSIROを経て、2002年明治大学理工学部応用化学科に助教授として着任。20074月より現職。(社)バリア研究会代表理事・会長。この間、一貫してプラスチック材料のガスバリア性、ガス透過性、ガス分離性について研究している。

◆ 大気圧プラズマ法による低コスト・高機能性薄膜の合成と実用化

  慶応義塾大学 理工学部機械工学科 教授 鈴木 哲也氏

13:00〜14:00

【講演要旨】
昨今のコスト競争および大面積化の必要性から、真空を引かずにプラズマを形成し、大気圧下で薄膜を被覆する研究が国内外で実施されている。我々のグループは、2005年にダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜を大気圧プラズマCVD法で作製し、高ガスバリア性の膜を得ることができた。その結果を踏まえて、2006〜2010年度にかけて「環境調和型機能性表面プロジェクト」が神奈川県主導で、「都市エリアプロジェクト」が文部科学省主導により、それぞれプロジェクトとして実施された。本講演では、上記のプロジェクトおよび長年の企業との共同開発の成果を紹介する。また、上記に関わる3台のプロト機を神奈川県産業技術センター内に設置し、平成22年6月から「公共試作機能ラボ」を開設したので併せて紹介する。

<プロフィール>
2005年4月 慶應義塾大学理工学部機械工学科 教授
2006年4月 神奈川県環境調和型機能性表面プロジェクト研究リーダー
(大気圧プラズマ法の開発)
2006年4月 文部科学省都市エリアプロジェクト研究リーダー
(公共試 作開発ラボ構築)
2007年4月 NEDOナノテクチャレンジプロジェクト研究リーダー代行
(長期埋め込み型医療機器開発)
2009年4月 JST 日本―フィンランド交流事業 研究リーダー
DLCに関する研究交流)
2009年9月 関東経済局 低炭素社会に向けた技術発掘・社会システム実証モデル事業
研究リーダー(ペットボトルの再利用)
企業との共同研究多数、現か在大気圧プラズマ法による低コストフィルムの他分野への実用化に従事

◆ 大面積ハイバリアフィルムの実用化をめざして
   −RtoR型CVD成膜装置の開発−


  大阪市立大学 大学院工学研究科 教授/
  (株)マテリアルデザインファクトリー 代表取締役 中山 弘氏

14:10〜15:10

【講演要旨】
(株)マテリアルデザインファクトリー(大阪市立大学ベンチャー)では、有機シリコン原料を用いた有機・触媒CVD法により成膜される、SiCN、SiOCN、SiCNF系の薄膜を用いた超バリアフィルムの開発を行っている。2011年度は、経済産業省と岡山県の支援を受け、最新型のロールtoロール型の有機・触媒CVD装置を開発し、ORIC(岡山リサーチインキュベーションセンター)に設置した。ロール幅最大700mmで、内容積約3m
3のCVD装置である。
 本講演では、バリア材料、バッチからロールへの転換の課題などを中心に報告する。

<プロフィール>
 大阪大学工学部、神戸大学工学部を経て、現在、大阪市立大学工学研究科(応用物理)の教授。
 2003年に、マテリアルデザインファクトリーを起業し、2007年より代表取締役。
 専門は結晶物理工学。現在、フィルムベースエレクトロニクス産業の創出に向け、大阪および岡山で奮闘中である。

◆ エレクトロニクス用ハイバリアフィルムの材料と技術

  プロマティック(株) 代表取締役 福島 和宏氏

15:20〜16:20

【講演要旨】
エレクトロニクス用のハイバリアフィルムは寸法安定性、透明性、平滑性などへの要求レベルが高く、EVOHなどのバリア性基材を使うことができません。従って、PETフィルムなどへのコーティングによってバリア性を付与する必要があります。薄いコーティングで十分なバリア性を発現させるためには、成膜時のピンホール、クラック、スクラッチを抑制することがポイントとなります。
 一方で、50μm以下のフレキシブルガラスの試作も可能となり、今後はガラスの様なフィルムと、フィルムの様なガラスのパフォーマンスがより拮抗してくると予想されます。また、フレキシブルガラスはガラス単体ではなくサポートフィルムとの組み合わせがハンドリング性の鍵となるでしょう。
 上記に加え、フィルムのハイバリア化やガラスのハンドリング性の向上には、1クラス上のウェブハンドリングを可能とする設備技術の確立が求められます。

<プロフィール>
学生時代からスパッタによる透明導電膜の研究に係わる。平成2年、素材メーカー入社し、フィルムの製造・加工技術の開発を担当。専門はプラズマ、薄膜、静電気。特にロール・ツー・ロールによるドライコーティングに関する要素技術を担当。平成18年、プロマティック(株)を設立。ドライコーティングに関する受託研究、コンサルティング、ビジネスマッチング等に従事。

 

 透明導電フィルムセッション

2012年2月16日(木)

◆ 低ダメージ大面積プラズマによるソフトマテリアルプロセス

  大阪大学 接合科学研究所 教授 節原 裕一氏

11:20〜12:00

【講演要旨】
次世代のフラットパネルディスプレーならびに高効率薄膜太陽電池の開発においては、軽量かつフレキシブルなジャイアントエレクトロニクスデバイスの形成技術の確立が急務であり、大型の基板にわたる均一性、高スループットに加えて、基板ならびにデバイスの多様化に対応可能な低温かつ高品質(低ダメージ)のプロセスを実現するためのプラズマ生成・制御技術が求められている。本講演では、次世代のメートルサイズを超える大面積プロセスを目指して開発してきたプラズマ生成・制御技術を中心に、機能性有機材料をはじめとするソフトマテリアルへのプラズマプロセスの適用性に加えて、低ダメージの反応性製膜プロセスと大面積化への展望について後述する。

◆ グラフェンフラワーによる塗布型透明導電フィルムの開発状況

  (株)インキュベーション・アライアンス 代表取締役 村松 一生氏

13:00〜14:00

【講演要旨】
ウェアラブルなタッチパネルへの市場ニーズから、柔軟性に優れたグラフェンを使用した透明導電フィルムの実用化が期待されている。銅などの基板上にCVDにて成膜してからフィルムに転写する方法、酸化黒鉛を塗布後に還元処理するなどの従来のコーティング方法とその課題について解説するとともに、直接合成グラフェンを使用したコーティングプロセスの開発状況について紹介する。直接合成グラフェンのコーティングプロセスには、インキュベーション・アライアンスが世界に先駆けて開発した大量合成グラフェンである、グラフェン・フラワー(登録商標)が好適に使用できる。グラフェンを直接的にPETフィルム等にコーティングする際の、プロセス設計、望ましいウエットコーティングプロセスやグラフェンの取り扱い上の注意点などについて紹介する。

<プロフィール>
1981-1985年 豊橋技術科学大学にて稲垣道夫教授(元炭素材料学会会長、北海道大学名誉教授)に師事。黒鉛層間化合物の電気伝導性に関する研究。
1983年:Grapheneの命名者でもある、Dr.R.Setton (CNRS,France)の研究室に短期留学し、アルカリ金属-有機分子-黒鉛層間化合物の常温溶液合成に取り組む。
1985年:神戸製鋼所入社。黒鉛層間化合物、磁気ディスク用カーボン基板、カーボンウエハ、Siウエハ再生プロセス等を開発し、事業化する。
2007年:インキュベーション・アライアンス設立。グラフェン、グラフェンチューブ等の新規なナノカーボン材料を開発し、その事業化を推進している。

◆ 透明導電フィルムの応用アプリケーション

  プロマティック(株) 代表取締役 福島 和宏氏

14:10〜15:10

【講演要旨】
スマートフォンとタブレットPCのブレークが、デバイスメーカーおよび素材メーカーのビジネスを牽引しています。その要因としては、タッチパネルの操作性が市場に受け入れられたことが大きいと言えます。興味深いのは、透明導電膜そのものの物性よりも、その使われ方の進歩が大きく寄与した点にあります。特に、従来のマトリクス式や抵抗膜式に対して静電容量型のヒットはその代表的な例でしょう。
 透明性と導電性の相反する物性を持つ材料は限られていますが、最近ではITOだけでなく酸化亜鉛系材料や銀ナノワイヤーなども実用化段階に入ってきました。どの材料を選ぶかは、アプリケーションやプロセスとの適性によって決まります。ディスプレイ、太陽電池、スマートウィンドウなど、各アプリケーションに適した透明導電膜の追求がいっそう求められています。

<プロフィール>
学生時代からスパッタによる透明導電膜の研究に係わる。平成2年、素材メーカー入社し、フィルムの製造・加工技術の開発を担当。専門はプラズマ、薄膜、静電気。特にロール・ツー・ロールによるドライコーティングに関する要素技術を担当。平成18年、プロマティック(株)を設立。ドライコーティングに関する受託研究、コンサルティング、ビジネスマッチング等に従事。

◆ 非真空気相成膜技術・ミストデポジション法による透明導電膜
  および各種薄膜の成膜


  京都大学 大学院工学研究科 光・電子理工学教育研究センター 先進電子材料分野
  教授 藤田 静雄氏

15:20〜16:20

【講演要旨】
大面積対応・低コストの成膜技術として、非真空下・気相成膜・溶液原料、という特徴を持つミストミストデポジション法を紹介する。これは溶液原料に超音波を印加し、噴霧により得られるミスト微粒子をキャリアガスで基板上に輸送し、成膜するという技術である。一見スプレー法と類似技術ではあるが、成膜に用いる微粒子の粒径が3μm以下と小さく、キャリアガスと同じ流速で基板上に到達し、基板表面でのマイグレーションを経て成膜に至ることで、制御性に優れた成膜が可能である。講演では、酸化亜鉛・ITO等の透明導電膜、酸化物半導体膜、絶縁膜、有機薄膜等幅広い材料の成膜結果に関して述べる。多様な材料の成膜に適用可能なことから、単一プロセスでの多層膜の作製も可能で、将来的にはRoll-to-Rollプロセスによる大面積デバイスの作製や多層膜のコーティング等に発展可能な技術であるとわれわれは期待している。

<プロフィール>
京都大学工学研究科光・電子理工学教育研究センター(電子工学専攻)所属。半導体、透明導電膜等の酸化物薄膜、有機薄膜の機能探索とデバイス応用に関する研究を行っている。2002年より文部科学省知的クラスター創成事業、地域イノベーションクラスタープログラム、地域イノベーション戦略支援プログラムのもとでミストデポジション法の研究を行い、現在産学連携体制で技術開発を進めている。

※講座内容は、都合により一部変更されることがございます。
※会場内での撮影、録音は禁止させていただきます。

申込フォームはこちら