
講演要旨
10:00〜10:50 |
界面・表面のレオロジーと粘着東京大学 工学系研究科 教授 土井 正男 氏粘着剤は、弱く架橋した高分子からなる非線形粘弾性体である.粘着特性を評価する試験方法は色々とあるが,いずれの方法においても,粘着剤は複雑な変形挙動を示す.例えば,プローブタック試験においては、引離し中にキャビティと呼ばれる空孔が多数発生することが見られている。また、ピール試験では、種々の糸ひき現象が見られている。ここでは,我々のグループで取り組んでいる実験的・理論的研究を中心に,粘着・剥離の現象をレオロジーの観点から考える。 |
10:50〜11:40 |
ポリマーの界面・表面解析の最先端東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 教授 西 敏夫 氏高分子材料は均一系で使われることは殆どなく、多くはポリマーアロイ、ポリマーコンポジットなどとして使われる。その場合、ナノ〜ミクロンオーダーの不均一相が形成され、その界面・表面解析が重要となる。我々は、原子間力顕微鏡を利用して、ナノ力学物性マッピング法を開発し、真のトポ像、弾性率マッピング、粘着に関係する凝集エネルギーマッピングなどを試料の同じ場所で求めることに成功した。講演では、それらのゴム/充填剤系、ポリマーナノアロイ、ポリマーナノコンポジットへの応用等を中心に最近の成果を分かりやすく述べる。 |
11:40〜12:30 |
高分子界面、接着をナノスケールで評価する九州大学 大学院工学研究院 准教授 田中 敬二 氏接着現象は古くから研究され多くの事実が集積されているが、未解決な問題も多い。本講演では高分子材料に焦点を絞り、高分子表面・界面の構造と物性の特異性を紹介した後、「分子鎖拡散」という観点から接着現象を考察する。また、被着面積をナノスケールにすると接着強度が著しく向上する「サイズ効果」についても議論する。 |
13:20〜14:10 |
粘着製品の表面・界面分析から粘着メカニズムを考える(株)日東分析センター 豊橋事業所 テクニカルアドバイザー 河辺 雅義 氏粘着テープは被着体に貼り合わせることにより粘着特性が発現する。粘着剤と被着体の間には、粘着特性に関与する複数の因子が考えられる。粘着特性に関与する界面因子を明らかにすべく、各種分析を行ってきた。そして、粘着テープの粘着力は「粘着剤と被着体の界面因子が寄与する界面接着力」と「バルクの粘弾性因子項」の積に比例するのでは?という仮説に到達した。この仮説を検証すべく、粘着剤表面をプラズマ処理した粘着テープを作製した。そして、粘着力変化の確認と、各種表面分析を行い、表面改質がどのように粘着性に影響を及ぼすのかについて検討を行い、粘着メカニズムを考察した。 |
14:10〜15:00 |
粘着・接着のメカニズム解析・技術の事例古河電気工業(株) 横浜研究所 解析技術センター センター長 加納 義久 氏接着、粘着のメカニズムに起因するパラメータは多岐に亘る。研究開発の担当者は、結合過程のパラメータ (SP値、表面自由エネルギー)や解結合過程のパラメータ (弾性率、粘度、動的粘弾性)、ポリマーブレンドの相溶性を考慮し、所望の特性を示す粘接着剤を最適設計しているが、注意しなければならないポイントもある。本講では、接着・粘着の基礎として、筆者の考える“くっつく”メカニズム、粘着剤の種類を説明する。また、接着・粘着に起因する各種パラメータを経験則に沿い、実例や最近の分析・解析技術のトピックスも含めて、解説する。 |
15:20〜16:10 |
粘着剤、接着剤の表面は環境に対応しどう変化するか岐阜大学 工学部 名誉教授 カセ村 知之 氏表面の分子は高い運動性を持つので,粘着剤や接着剤のような多成分系高分子が,ある状態(たとえば空気中)から別の状態(たとえば水中)に移されると,界面自由エネルギーを最小にするようにセグメントが選択的に吸着・配向する。すなわち環境応答性を示す。特に接着系では接着強さが時間の経過とともに増大する。これに伴って,このような高分子の接触角は被着体の特性に対応して、時間の経過とともに変化する。我々が検討してきた、動的接触角測定と湿潤張力の緩和の測定による、この環境応答性について解説する。 |
16:10〜17:00 |
剥離材の基礎と表面・界面リンテック(株)研究所 新素材研究部 素材設計研究室 室長
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10:00〜10:50 |
物理蒸着法による高分子薄膜形成東京農工大学 大学院 教授 臼井 博明 氏 高分子材料の光・エレクトロニクスデバイスへの応用が注目されるにあたり、ナノレベルの高分子薄膜形成や積層構造の構築が求められている。一方、揮発性有機化合物削減の観点から、無溶媒の製膜技術を開発することも有意義である。本講演では、物理蒸着法を用いて真空クローズドプロセスで高分子薄膜を形成する技術を紹介する。テフロンなどを直接蒸着する方法、モノマーの共蒸着でポリイミドなどを形成する方法、電子あるいは紫外線照射によってラジカル重合膜を形成する方法、基板表面にグラフト成長させる方法など、材料の性質に応じて幾つかの製膜手法に分類し、デバイスなどへ向けた応用例を併せて紹介する。 |
10:50〜11:40 |
大気圧プラズマを用いた薄膜形成技術大阪大学 大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻 准教授 垣内 弘章 氏 近年、先端科学技術分野において、各種の機能薄膜を高速に、しかも低温で形成する技術の確立が重要となっている。特に、フレキシブルディスプレイ、フィルム型センサー、フレキシブル太陽電池等のプラスチックフィルムを基板とした高機能デバイスの開発には、150℃以下の温度での高速成膜技術の確立が不可欠である。しかし、成膜プロセスを高速化・低温化するためには、従来技術を経験に基づき改良を重ねていくだけでは困難である。すなわち、気相反応や表面反応の各プロセスは固有の反応過程により律速されるため、高速化・低温化のためには、新たな概念や原理を導入してそれらの反応過程を本質的に変更する必要がある。本講演では、このような思考に基づいて開発を進めている大気圧・超高周波プラズマ技術について、その概念および応用例を紹介する。 |
11:40〜12:30 |
液相析出(LPD)法による金属酸化物の合成-薄膜から高次構造体まで-龍谷大学 理工学部 物質化学科 准教授 青井 芳史 氏 湿式薄膜合成法の1つである液相析出法は、水溶液中での金属フルオロ錯体の加水分解平衡反応を利用した金属酸化物薄膜合成法である。液相析出法による金属酸化物の析出反応は、水溶液からの固体析出の反応であり、不均一核生成が均一核生成に優先して起こることにより、処理溶液中に浸漬した基材表面上に選択的に金属酸化物の析出・成長が起こる。液相析出法は、これまで主に金属酸化物薄膜の合成法として広く研究されてきたが、我々は薄膜という形態以外の金属酸化物の合成についても試みている。本講演では液相析出法による各種金属酸化物薄膜の合成および3次元構造体や中空球状粒子の作製について紹介する。 |
13:20〜14:20 |
金属・プラスチック表面上への高付加価値機能性
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14:20〜15:10 |
医用材料としての高分子超薄膜(ナノシート)の構築早稲田大学 先進理工学部・研究科 教授 武岡 真司 氏厚さが数ナノメートルから数十ナノメートルの自己支持性(フリースタンディング)の高分子超薄膜を汎用性高分子から簡便な方法で作製した。この超薄膜は構造色を持ち、柔軟性が高く、あらゆる表面に物理吸着で接着できるので、未来材料として様々な可能性が期待されている。ここでは、生分解性、生体適合性の高い高分子材料を用いたナノシートに関して医療材料の可能性を具体例として示す。リポソームの様な球状の薬物運搬体に対して、膜厚がnmでマイクロメートルのサイズのシート状の運搬体を構築し、これを血小板代替物としての応用を目指している。また、cmサイズのナノシートを用いた「ナノ絆創膏」では、物理吸着にて皮膚や臓器へ貼付できるので、組織界面を保持した組織再生が起こり、癒着も起こらない。特に外科手術や再生医療領域における医用材料として期待されている。 |
15:30〜17:00 |
現場に見るスパッタ法による薄膜化技術と応用(有)アーステック 代表取締役 小島 啓安 氏 最近、地球温暖化によると見られる異常気象が多く報告されるようになってきた。環境負荷を低減する技術の必要性は益々高まってきている。コーティング技術の中でも、ドライプロセスは、環境負荷を低減するための技術として、また高付加価値化の技術として期待されている。すでに大きな市場ができつつある太陽電池、各種省エネ技術などにも薄膜作製技術は重要な技術の1つとして使われている。なかでもスパッタ技術は、これらの商品に必要な大面積基板に成膜するのに適した多くの特徴を持っている。スパッタ技術の応用として液晶TVや太陽電池に不可欠な透明導電膜、省エネ技術としてのソーラーコントロール膜、またコスト削減のための最新技術である化合物膜の高速成膜技術などを紹介する。 |
17:00〜17:50 |
Roll to Roll Manufacturing 理論 ※通訳無しKONKUK UNIVERSITY, Dept. of Mech. & Aero. Engineering, Prof. Kee-Hyun Shin<後日、アップいたします> |
10:00〜12:00 |
製造現場と分析測定技術の新しい融合大日本印刷(株) 研究開発センター 理事 主席研究員 黒田 孝二 氏印刷画像を構成する数10〜200ミクロンの網点は1ミリ秒足らずで印刷されるが、 熟練者の感性はこの高速現象を見抜きプロセスを操る。最新高感度計測技術でみるとモノづくりに必須の濡れ、滑り、接着を操る技能はナノテクであり、日本の現場はその宝庫である。これを次世代に活かすにはモノづくり感性をさらに高める必要がある。 |
13:00〜14:00 |
SNAPによる微粒子分散液挙動のモデリング〜塗布・乾燥、凝集・分散、膜ろ過プロセスを対象として〜東京大学大学院 工学研究科 化学システム工学専攻 准教授 藤田 昌大 氏化学工学における塗布・乾燥,凝集・分散、膜ろ過プロセスで重要な役割を果たす濃厚微粒子分散液の挙動に対して、講演者らが開発したメソスケール多相流動力学シミュレータSNAP(Structure of NAno Particles)のモデリング手法とシミュレーション結果を紹介する。講演では棒状微粒子の溶液中配向、インクジェット法による基板上粒子薄膜の形成、せん断場における微粒子系の構造形成と溶液のレオロジー、またデッドエンドろ過膜流れにおける膜細孔のファウリングなどを対象とする。 |
14:00〜15:00 |
塗布膜の乾燥プロセスモデリング長岡技術科学大学 電気系 電子デバイス・光波エレクトロニクス大講座 NTIC 副センター長 河合 晃 氏塗布膜の乾燥プロセスは、主要な製造技術として用いられており、その制御機構の理解が重要となる。特に、コーティング技術では、その品質において乾燥処理の重要性は高く位置づけられている。本講座では、拡散理論および原子間力顕微鏡(AFM)を用いた実験結果に基づき、乾燥プロセスのモデリングを行う。特に、表面硬化層形成および応力緩和モデルに注目する。高品位な塗膜を得るための主要因を明確にするとともに、その本質の理解を目的としている。 |
15:20〜16:20 |
高分子/高分子、高分子/異種材の接着・接合界面の可視化技術と測定例日産アーク(株) 研究開発部 材料解析センター 主管研究員 加藤 淳 氏 近年、コーティング技術は材料や部品の保護や商品性向上のための表面被覆法としてだけではなく、新しい機能(トライボロジー特性、電気特性、光学特性など)を付与する手法として活用されるようになった。そこでは、コーティング 膜の構造は勿論のこと、膜と基材との界面構造を可視化することが必須となっている。また同様に、高分子/高分子や高分子/異種材との接着・接合、さらには積層材料(ラミネートフィルムなど)や高分子複合材料でも界面構造の可視化が強く求められている。そこで、今回は元素、官能基、高次構造並びに、物性分布の観点から、被覆、接着・接合、積層材料や複合材料における界面の可視加技術を紹介する。 |
お問い合せ先
(株)加工術研究会
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TEL. 03-3861-3858