2/18(木) コーティングテクニカルセッション
ーコーティングを制御・把握するための要素技術ー
10:00〜11:00
テーマ:「分析測定技術と製造現場の新しい融合」
印刷画像を構成する数10〜200ミクロンの網点は1ミリ秒足らずで印刷されるが、熟練者の感性はこの高速現象を見抜きプロセスを操る。最新高感度計測技術でみるとモノづくりに必須の濡れ、滑り、接着を操る技能はナノテクであり、日本の現場はその宝庫である。これを次世代に活かすにはモノづくり感性をさらに高める必要がある。本講演では移動分析車で現場プロセス中の高速挙動を最新計測技術で解き明かし、現場と材料とのコミュニケーションをスムーズにして「見る」「知る」「操る」感性を高めてきた試みを紹介する。諸氏の心のもやに少しでも晴れ間が見えれば幸いである。
講師:大日本印刷(株) 研究開発センター 理事
黒田孝二 氏
11:00〜12:00
テーマ:「マイクロソフトマテリアルを評価する微小レオロジー技術」
近年のナノ・マイクロ加工技術の進展は、液体やゲル、液晶や高分子といったソフトで複雑な流体材料加工にまで及んでいる。とりわけインクジェット技術に代表されるオンデマンドでの造形・パターニングプロセスにとって、厚み・幅がマイクロメートル領域となる環境での流体物性測定は欠かすことのできない要素技術である。本講演では、電界ピンセットやインクジェットを利用した超高速粘弾性計測法など、これまでにない発想に基づく微小領域のレオロジー計測に関する取り組みを紹介する。
講師:東京大学 生産技術研究所 教授
酒井啓司 氏
12:00〜13:45
昼休み
13:45〜14:45
テーマ:「高分子溶液における乾燥過程の挙動解析」
インクジェット印刷では高分子やコロイドを含む溶液を基板の上に滴下し、溶媒を蒸発させることで、印刷を行なう。このとき、基板上に残ったフィルムの形を制御することは、工業的に重要である。このような背景の下に、我々は、基板上の高分子の溶液が乾燥してゆく過程を調べている。ここでは、この研究を通して分かったいろいろな知見について話をする。とくに乾燥に伴って起こる(1)液体の内部に生じる流れ(2)皮膜の形成(3)接触線の運動と、最終的にできる高分子フィルムの形状について議論する。
講師:東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 教授
土井正男 氏
14:45〜15:45
テーマ:「ケミカルプロセシングによる微粒子分散系の制御と機能」
高分子と無機微粒子の混合において、コロイド溶液は均一分散を行うのに良い手段である。しかしコロイド溶液を塗布し乾燥する工程において、分散状態を制御しなければ設計どおりの機能発現は難しい。高分子と微粒子の混合系で観察されるパーコレーション転移は確率過程の現象であるため、その制御にはプロセシングも含めた高度な材料設計技術が必要である。本講演では帯電防止膜を事例にその制御と評価技術を説明する。また、パーコレーション転移とは異なる、凝集微粒子が生じない、すなわちコロイド状態と同じように均一に微粒子が分散した単膜の製造事例について力学物性の特徴を述べ、コロイド溶液を活用した微粒子分散系機能性薄膜の材料設計について、微粒子の分散構造と機能性の観点から未来の可能性を展望する。
講師:コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株) 開発本部 化製品開発センター 機能部材開発部 担当部長
倉地育夫 氏
15:45〜16:45
テーマ:「乾燥プロセスのモデル化と制御パラメーターについて」
現在、塗布膜の乾燥プロセスは、主要な製造技術として用いられており、その制御機構の理解が重要となる。特に、コーティング分野では、その品質性向上の観点において、乾燥処理の重要性は高く位置づけられている。本講座では、拡散理論および原子間力顕微鏡(AFM)を用いた実験結果に基づき、ナノスケールでの乾燥プロセスのモデリングを行う。特に、表面硬化層形成および応力緩和モデルに注目する。高品位な塗膜を得るための主要因を明確にするとともに、その本質の理解を目的としている。
講師:長岡技術科学大学 工学部電気系 准教授
河合 晃 氏
2/19(金) 粘着テクニカルセッション(協賛:日本粘着テープ工業会)
ー明日へのモノ作りに活かす、粘着要素技術ー
10:00〜11:00
テーマ:「粘着剤の物性:粘着剤の相構造と相溶性」
粘着剤はゴム(エラストマー)を主成分とし、場合によっては粘着付与剤をブレンドした粘弾性物質である。それゆえ粘着剤の性能、いわゆる”粘着三物性”(粘着力、タック、保持力)は粘着剤のレオロジカルな性質に大きく左右されることになる。また粘着剤は接着剤と比較して表面の物性により影響されるとも考えられる。我々は最近、粘着剤ベースポリマー/粘着付与剤系において原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面の摩擦力を測定し、表面物性について検討を行っており、それについても発表する。
講師:東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 准教授
竹村彰夫 氏
11:00〜12:00
テーマ:「接着界面:接着剤/被着体界面での相互作用エネルギー」
接着剤(または粘着剤)による接着現象を利用した製品を設計する場合、接着剤のバルクとしての挙動と共に表面の挙動(または接着剤/被着体の界面領域での挙動)を理解し、コントロールする必要がある。バルクとしての挙動の評価方法としては種々レオロジー物性測定法が、そして表面の挙動の評価方法としては接触角測定法、表面力測定法などが考案されて用いられている。一方、近年のコンピュータ性能の飛躍的向上に伴ない、分子レベル、あるいは電子、原子核レベルでのシミュレーション技術が容易に活用できる状況になってきている。今回そのシミュレーション技術を用いて接着剤/被着体界面での相互作用の解析を試みた例をご紹介する。
講師:日東電工(株) 生産技術開発センター 元フェロー
南崎喜博 氏
12:00〜13:45
昼休み
13:45〜14:45
テーマ:「自然に学ぶ(1):粘着物性とヤモリの粘着メカニズム」
ヤモリは,壁や天井を自在に歩行することができるなど、粘着・剥離を巧みにコントロールする機構を備えていることが知られている。また、その優れた粘着・剥離機構を理解し、より高機能な粘着剤を開発しようという試みが最近始まっている。本講演では、ヤモリの指先がもつ粘着・剥離機構に着目し、物理的に優れている点や既存の粘着剤とはどのように異なるかについて述べた後、実際に高機能な粘着剤を作るにはどうしたらよいか考えてみたい。
講師:東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 助教
山口哲生 氏
14:45〜15:45
テーマ:「自然に学ぶ(2):グリップ&リリースのメカニズム」
ヤモリ、クモ、ハエなどは微小毛構造を用い、壁面に水平な方向の力を変化させることで、固体間凝着力を制御し、壁面を把持したり素早く離したりしている。またカタツムリは筋肉の剛性を変えることで対象を把持している。講演者はイオンスパッタリングシステムを有する超高真空のオージェ電子分光装置内に加熱(表面再構成)装置と力計測装置を組み込み精密な固体間凝着力の計測を行い、その結果を解釈するための電子論や力学モデルを構築し、詳しく検討を行ってきた。それらの成果に立脚し、生物の用いるグリップとリリースの機構を理解し、さらに必要な機構のみを選択し利用することでスマートなグリップ&リリースを可能にするデバイスを設計することができる。ここではそれらの取り組みを理論的な背景から紹介する。
講師:東京工業大学大学院 理工学研究科 国際開発工学専攻 准教授
高橋邦夫 氏
15:45〜16:45
テーマ:「プローブタックによる接着力上昇性の解析」
粘着テープの接着力は一般には貼付時間1分や20分で測定されている。しかしこの時間はまだ粘着力が上昇している途中、すなわち接着形成が完了していない時点での測定となる。実用的には貼り合わせるとすぐに使用されることも多いので、品質管理上はこれで良いのだけれども、粘着テープ開発のための評価となると不十分である。
粘着テープの接着特性は接触過程と剥離過程を厳密に分けて解析する必要がある。
また電子機器特に光学関連で保護フィルムが多用されて生産の合理化に貢献している。この用途では貼付後すぐに接着力が発現し、しかも接着力の上昇は非常に小さいことが要求されている。接着力上昇性の評価は非常に重要である。
プローブタックで接触時間を変化させることにより、いくつかの粘着剤で接着力上昇性について測定・解析した。
講師:粘着コンサルタント
浦濱圭彬 氏
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お問い合せ:(株)加工技術研究会 forum@ctiweb.co.jp TEL. 03-3861-3858