大日本印刷(株)(DNP)郵船ロジスティクス(株)は、温度管理が必要な貨物における定温での国際輸送を可能とする「DNP多機能断熱ボックス」に関する共同研究を重ね、あらゆる輸送形態に活用できるサービスを構築した。

<共同研究の背景>

 温度管理が必要な貨物を国際一貫輸送する際には、それぞれの輸送日数に応じた保冷梱包や冷蔵・冷凍専用のトラック・コンテナの手配が必要となる。この場合、到着地で梱包資材の開梱作業および資材の廃棄処理が必要になることや、冷蔵・冷凍専用のトラック・コンテナの利用により、輸送費用が高額になることなどが課題となっていた。

 DNPは、真空断熱パネルの特性に着目し、定温輸送に適したDNP多機能断熱ボックスの開発を進めてきた。2015年からは、国際物流に強みを持つ郵船ロジスティクスと共同で、ユーザーの要望を反映した製品の開発に取り組んできた。

*真空断熱パネル:グラスウールやウレタン等の断熱材を高いバリア性を持つフィルムで包装し、真空状態で封止したパネル。通常の断熱材に比べて20分の1の薄さで同等の断熱が可能。

<DNP多機能断熱ボックスの特長>

 DNP多機能断熱ボックスは、特殊技術を用いた真空断熱パネルを使用することによって、電源を用いることなく、優れた断熱性や気密性を確保しているため、さまざまな輸送用途にも適した設計となっている。また、内部温度を測定する温度計を標準装備しているため温度管理も可能で、特に定温輸送に適している。

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DNP多機能断熱ボックスのさまざまな機能

 ボックス内に保冷材を入れることで、商品や輸送時間に適した冷蔵定温輸送も可能になる。輸送環境温度や輸送時間において商品が入るボックス内の温度変化のシミュレーションが可能で、保冷材の使用量を最適化(削減)する。

<輸送提案事例>

 これまで陸上輸送では、冷蔵で輸送する貨物量が少ない場合でも冷蔵トラックを1台チャーターする必要があった。このような場合、DNP多機能断熱ボックスを使用すれば保冷状態を保てるため、常温貨物を運ぶ一般トラックに混載して輸送することが可能となる。また、冷蔵トラックの保有台数が少ない東南アジア地域などで、国境をまたがって貨物輸送を行なう“クロスボーダー輸送”への活用も検討している。

 海上輸送でドライコンテナに積載する際、コンテナ内は高温度の環境下で輸送されることもある。このような高温状態を避けるには、内部を一定温度に保つ機器が備わったリーファーコンテナなどを利用していたが、DNP多機能断熱ボックスを使用することで、設定温度の範囲を保った上でドライコンテナに積載して輸送することができる。

 航空輸送において温度管理を行う場合、梱包毎に保冷用資材を同梱して“Keep Cool”扱いとして輸送していた。一方、DNP多機能断熱ボックスを使用することで、一般貨物同様の輸送が可能となり、納入後はボックスを回収してリターナブル使用することで、保冷用資材の削減も可能となる上、環境にも配慮した運用ができる。

 陸海空それぞれの輸送においてDNP多機能断熱ボックスを活用することで高品質を維持した上で輸送効率向上による全体最適化が見込める。

<ターゲットとする貨物>

○冷蔵管理を必要とする青果物、加工食品、酒類など
○定温管理を必要とする医療・医薬品、化学品、工業製品など

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 08月09コンバーテック8月号(本文32頁)掲載のウイル・コーポレーション/日本HPの記事で、タイトルに一部誤りがありました【訂正PDFはこちら】