昌栄印刷(株)は、富士ゼロックス(株)の一意識別技術「Yoctrace(ヨクトレース)」を活用した、高度な真贋判定および認証などの5つのデジタルセキュリティーサービスを2018年春より開始する。
 OECD(経済協力開発機構)によると、世界の模倣品、海賊版の流通総額は、5000億ドルに迫る(注1)としており、国内外において、ギフトカードやチケットなどの偽造品による問題が年々増大し、社会問題になっている。
 富士ゼロックスは、汎用スキャナーによる紙の一意識別を可能とする技術を世界で初めて(注2)2002年に開発、その後ブランドプロテクト、工業製品の真贋判定などを目的とし、紙以外にも応用先を広げる研究開発を進め、Yoctraceを開発した。
 一方、昌栄印刷は、1907年の創業以来、セキュリティー媒体専門の印刷会社として、偽造・変造防止や真贋判定のための技術を使った媒体印刷に取り組んでいる。その知識と経験を生かし、印刷技術のデジタル化に対応できる新規技術を導入した偽造・変造を防止する新たな仕組みを検討してきた。
 両社は、2012年1月より、有価証券、証拠証券などを対象とした既存の金融システム向けの偽造防止サービスや、ブランドプロテクションとして用いられているギャランティーカード、およびIDカードの認証サービスを想定した検討を行ってきた。その結果、Yoctraceが商用ベースの真贋判定において極めて高い水準にあることを確認し、富士ゼロックスは、昌栄印刷に対し、同技術のライセンス提供を2017年4月に開始した。
 昌栄印刷が、来春から提供を予定している真贋判定および認証の5つのデジタルセキュリティーサービスは以下の通り。
1.仮想通貨や地域通貨における紙媒体や非対面での本人確認に関するサービス
2.電子証明書の仕組みで発行される納税証明書・支払い証明書等に関するサービス
3.有価証券・証拠証券等の証券類に関するサービス
4.ブランドプロテクション用の媒体に関するサービス
5.IDカードシステムにおけるIDの自動認識技術の簡素化、および、既存技術との組み合わせによる高度な偽変造防止に関するサービス
 1から3では、紙媒体に、4と5では、紙媒体またはプラスチック製のカードにYoctraceを活用し、セキュリティー媒体とすることで、高い真贋判定もしくは、認証サービスを実現させる。
 また、昌栄印刷は、カレンシーポート社(注3)とブロックチェーン(注4)を使った仮想通貨ビジネスにおける上記1のサービスを活用した本人確認のソリューションの提供に向けて、Yoctraceを活用したデジタルセキュリティーサービスの実証実験を2017年度中に開始する予定。
■Yoctraceについて
 富士ゼロックスの一意識別技術「Yoctrace」は、工業製品などの物体表面に製造工程で偶然生成されたランダムパターンを使って、個体1つ1つを識別する技術。独自の画像処理アルゴリズムによって、きわめて高い精度の真贋判定を可能にする。「Yoctrace」は、国際単位系で一番小さい単位10−24(1秭(じょ)分の1)を示す“Yocto”と、追跡を意味する“Trace”を組み合わせた造語で、本技術の一意識別精度が極めて高いことを表している。
注1 2016年4月発表
注2 富士ゼロックス調べ
注3 カレンシーポート社は、ブロックチェーン技術を基礎として、仮想通貨事業、地域通貨事業に進出しており、今後、日本における新たな金融サービスの有力なプレイヤーとなる可能性を持つ。
注4 ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードの連続的に増加するリストを持つ分散型データベース

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 08月09コンバーテック8月号(本文32頁)掲載のウイル・コーポレーション/日本HPの記事で、タイトルに一部誤りがありました【訂正PDFはこちら】