DIC(株)は、Nanosys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、CEO:Jason Hartlove)とともにインクジェット(IJ)印刷方式によるディスプレイ向け量子ドットカラーフィルタ用インキを共同開発している。共同開発の最新の成果は、12月8日まで仙台国際センターで開催中の「2017 International Display Workshop」(https://www.idw.or.jp/)のセッションMEET4で発表予定。
 “量子ドット(Quantum dot:QD)”とは、発光性の無機半導体ナノ粒子。粒子径を変えることで発光色を自在に制御できることから、次世代ディスプレイ材料として注目を集めている。その中でも、“量子ドットカラーフィルタ(QD-CF)”は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイと組み合わせることで、既存のディスプレイと比較して、低消費電力化、色再現範囲拡大、視野角拡大が実現できるデバイス。また、QD-CFを大型ディスプレイへ適用するためには、既存のカラーフィルタの主要製法であるフォトレジスト方式よりも、QD材料のロスを最小化できるIJ印刷方式が理想的。最先端材料であるQDは、その製造コストが高価であることも需要拡大へのハードルとなっているが、IJ印刷方式であれば、より低コストでQD-CFを製造することができる。
 QDのディスプレイへの応用は、カドミウム系材料で先行していたが、サステナビリティの観点から、カドミウムフリーQDの開発が強く望まれている。Nanosysは世界有数のカドミウムフリーQDメーカーであるとともに、QD材料のノウハウ、特許を多数所有しているトップQDメーカー。DICは、世界最大のインキメーカーであり、これまで培った分散技術、配合技術、樹脂をはじめとした豊富なインキ材料リソースなどのインキ設計に必要な技術を多数所有している。今般、NanosysのカドミウムフリーQDと、DICのインキ設計技術をコラボレーションすることで、世界初のカドミウムフリーQD IJインキの開発を目指す。QDインキ設計に際して、現在、さまざまなIJヘッドの種類や生産ラインに対応できるよう、熱硬化型インキおよびUV硬化型インキでの開発を進めている。
 DICでは、このQD IJインキを、液晶材料、カラーフィルタ用有機顔料に続くディスプレイ材料として、2020年の上市を目指して開発を進める。

日本印刷産業連合会の検索サイト