精密機械加工を得意とする(株)伸和精工は、300mm角以内の小さな製品・部品の特殊加工を手掛け、クライアントのニーズに応じて少量多品種の注文に対応している。また、航空宇宙産業における品質規格であるAS9100を取得しており、高度な加工も提供している。
 この度、伸和精工は、クライアントへ更に優れた製品を提供するため、3Dプリンティングに関する総合的なサポートを提供している(株)3D Printing Corporationより、Markforged社の新技術を用いた金属3Dプリンター「Metal X」のシステム一式の導入の契約を締結した。この金属3Dプリンティングシステムは、Markforged社の大サイズ焼結炉「Sinter-2」を揃えているシステムとして日本初の導入となる予定。
 3Dプリンターでは、短時間・低コストで試作ができ、また、従来の製造方法では難しかった複雑な形状の製作が可能となる上、多品種少量生産に向いている。伸和精工はこれらの利点から、既に炭素繊維強化プラスチックを利用した3Dプリンターを導入している。
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 伸和精工が導入を決定した金属3Dプリンター「Metal X」は、Markforged社独自の新しい技術「ADAM (Atomic Diffusion Additive Manufacturing: 原子拡散積層造形法) 」を用いている。この新技術により、 従来の金属3Dプリンターに比べて10分の1のコストおよび短時間で、高密度の金属3Dプリンティングが可能となる。また、従来の金属3Dプリンターでは粉末レーザー積層法(金属粉末を敷き詰めてレーザーで焼結する方法、 SLS法)が主流であった一方で、Metal Xで用いられているADAM技術では金属粉末を樹脂に閉じ込めたフィラメントを使用して造形するため、金属粉末の飛び散りや粉塵爆発の心配がなく、安全に使用することができる。
 新技術ADAMを用いた金属3Dプリンター「Metal X」、Metal Xで3Dプリントした金属パーツを洗浄する「Wash-1」(自動洗浄タンク)、そしてそのパーツを焼結する大サイズの「Sinter-2」(焼結炉)を含む全工程を備えたこの最先端の金属3Dプリンティングシステム一式を導入することで、大きいサイズの金属部品や、多数の小さな金属部品を効率的に処理することができる。これにより、伸和精工は自社工場内で、 高品質を保ちながら、低コスト・短時間で最先端の金属造形が可能になる。また、今年8月には、伸和精工はアメリカ・ユタ州にて開催される世界最大の小型衛星関連の国際学会「Small Satellite Conference」に出展し、Sinter-2を含むMetal Xシステムを使用して製作するサンプル品を展示予定。
 さらに、Metal Xシステムに加え、3D Printing CorporationによるDFAM(ディーファム、 3Dプリンティング成形を前提とした特殊設計)を始めとしたサポートにより、伸和精工は、航空宇宙産業などの精度・品質が重要になる業界向けの製品にも対応できる、より高精度・高品質の精密加工を提供していく。