JFEスチール(株)は、高強度と高延性を兼ね備えた缶用鋼板『JATT』を新たに開発し、量産を開始した。同社独自の材質設計により、同社の一般的なDR材(※1)と同等の高強度を維持しつつ、従来平均3~5%の延性に対し、最大20%以上を実現し、加工性の向上や薄ゲージ化に貢献する。今後、幅広いお客様に向けて本格的に供給を開始していく。
 従来のDR材では、2回圧延を行うことで加工強化による高強度が得られる反面、伸び限界が低下するため、Easy Open End(EOE (※3))や3ピース缶胴などの加工を施す際、リベット部、フランジ部、ビード部などで割れが発生するケースがあった。一方で、新たに開発した『JATT』は高強度かつ、伸びの低下がないため、従来のDR材で見られた加工不具合が軽減される。また、伸びに余裕があることから、加工の自由度が上がり、缶デザインの可能性が広がります。さらに、同じ板厚の従来のSR材(※2)に比べ強度が高く座屈やデント変形を軽減できるため、薄ゲージ化への活用も期待される。『JATT』は、顧客の用途、要望に対応するため、硬さ、降伏強度の異なる4グレードをラインナップしている。

2019 04 15 jfe1
 『JATT』の適用例

※『JATT(R)』はJFEスチール(株)の登録商標。『JATT(R)』:JFE Advanced Thin gauge Tin mill Productsの略。
(※1)DR材:Double Reduce材(2回圧延材)の略。
(※2)SR材:Single Reduce材(1回圧延材)の略。
(※3)EOE:Easy Open Endの略。食品缶などで、缶きりを使わずに開けられる蓋。