日立化成(株)のフラットパネルディスプレイ(FPD)向けに開発した「粒子超分散配置型異方導電フィルム(Particle-Aligned Anisotropic Conductive Film、PAL-ACF)」が大型FPDに採用されることが決定した。「PAL-ACF」はFPDの高精細化に伴い微細化する、ガラス基板とフレキシブルプリント基板の電極の回路を接続する異方導電フィルム。同社は2017年2月から「PAL-ACF」の量産・販売を開始した。

 ACF(異方導電フィルム、製品名:「ANISOLM」)は、FPDの部品であるガラス基板、フレキシブルプリント基板、ICチップ等の複数の電極を一括で接続できる材料。例えばガラス基板とフレキシブル基板の間にACFをはさみ、加熱、圧着することで、電極の間に導電粒子が配置され、電極同士を接続するとともに、ACFの絶縁樹脂により、本来接続すべきでない電極が接続されることを防ぐ。このように、ACFを用いると、微細な電極の回路を確実に接続することができる

 近年、FPDは高精細化が進んでおり、FPDの基板にはより多くの電極が必要となっている。またFPDの表示面積を広くするために、狭額縁化への需要も高まっているが、そのためには額縁部分の基板をより小型化する必要がある。FPDの高精細化に伴う電極の増加および狭額縁化に伴う基板の小型化により、基板上の電極はより微細化している。日立化成の従来の大型FPD向けACFは接続できる電極の最小面積(最小接続面積)が7200μm2だったが、より微細な回路接続のためのACFが求められている。

 同社は、高精細化が進むFPDの微細な回路接続が可能な「PAL-ACF」を開発、量産・販売を開始。「PAL-ACF」は最小接続面積3000μm2と、従来のACFよりも微細な回路接続が可能。「PAL-ACF」に含まれる導電粒子は、日立化成の粒子分散技術により、従来のACFよりもフィルム内でより均一に配置されている。そのため「PAL-ACF」を用いると、これまで以上に微細な電極でも、電極間に導電粒子が確実に配置され、回路が接続できる。また「PAL-ACF」は、電極接続時の導電粒子の動きを抑制するよう改良した樹脂を採用しているため、本来接続すべきでない電極が接続されることを防ぐ。

 今回採用されることが決定したテレビ、モニター等の大型FPD向け「PAL-ACF」は、4K、8Kテレビの普及に伴い、需要の拡大が見込まれる。同社は今後、FPD市場の拡大が進む日本、アジア、欧米のディスプレイメーカーへ「PAL-ACF」の拡販を進め、異方導電フィルムのグローバルシェアの拡大を図る。

従来品とPAL-ACFとの比較

2017 03 16 hitachi

・実装条件:165℃/4秒/4MPa

・使用したフレキシブルプリント基板:ピッチ(回路幅+スペース幅):25μm、回路幅(電極の幅):10μm、スペース幅(電極間距離):15μm、Snめっき付きCu回路

・使用したガラス基板:Ti/Al/Nd電極、ガラス厚み0.6mm

※ 複数の電極の導電粒子捕捉数を測定し、1電極あたりの捕捉数を横軸に、その捕捉数の電極が存在する割合を縦軸にした。

 

 

 

 

 

日本印刷産業連合会の検索サイト