NEDO未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)の組合員である三菱樹脂(株)は、高性能蓄熱材(製品名:AQSOA(R)Z02)製造時に発生する未反応原料の回収・再使用技術を開発し、実機に本開発技術を適用することで、AQSOA(R)Z02の製造コストを削減する量産製造技術を確立した。

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図1 低コスト型AQSOA®Z02の外観

 これにより、三菱樹脂は、55~80℃の低温では利用が困難だった市販合成ゼオライトと同等の価格で高性能蓄熱材AQSOA(R)Z02を提供できるようになり、未利用熱の有効活用へさらなる期待がかかる。

 現在、運輸・産業・民生の分野において、一次エネルギーの半分以上が利用されずに排熱になっている。このような背景のもと、NEDO は利用されることなく環境中に排出されている膨大な量の未利用熱に着目し、その「削減(Reduce)・回収(Recycle)・利用(Reuse)」を可能とするための要素技術の革新と、システムの確立を目指した「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」(※1) を 2015 年度から実施し、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)(※2)が中心となって開発を進めている。

 TherMAT の組合員である三菱樹脂株式会社が開発する高性能蓄熱材 AQSOA(R)Z02(※3)は、市販合成ゼオライト(※4) では利用が困難な 55~80℃程度の低温排熱を用いて、水の吸脱着(蓄熱・放熱)が可能であり、かつ十分な水の吸着量(蓄熱密度)を有する材料である(表 1、図 2)。この特長を活かし、低温排熱の利用が求められるボイラーの効率向上用途の蓄熱材や吸着式冷凍機向け吸着材として使用されている。しかしながら、AQSOA(R)Z02 の特徴である規則的な三次元構造の制御(図 3)には、材料合成時に過剰な原料仕込みが必要であり、高コストとなることが課題であった。

 TherMAT の組合員である三菱樹脂株式会社が開発する高性能蓄熱材 AQSOA(R)Z02(※3)は、市販合成ゼオライト(※4) では利用が困難な 55~80℃程度の低温排熱を用いて、水の吸脱着(蓄熱・放熱)が可能であり、かつ十分な水の吸着量(蓄熱密度)を有する材料である(表 1、図 2)。この特長を活かし、低温排熱の利用が求められるボイラーの効率向上用途の蓄熱材や吸着式冷凍機向け吸着材として使用されている。しかしながら、AQSOA(R)Z02 の特徴である規則的な三次元構造の制御(図 3)には、材料合成時に過剰な原料仕込みが必要であり、高コストとなることが課題であった。

 このような背景のもと、本プロジェクトにおいて三菱樹脂は、AQSOA(R)Z02 製造時に発生する未反応原料(※5) の回収・再使用技術の開発に加え、実機への同開発技術の適用や、生産性向上を狙いとした製造工程のボトルネック解消により、同材料の低コスト化量産製造技術を確立した。これにより、AQSOA(R)Z02 の製造コストを削減し、市販合成ゼオライトと同等の価格での提供が可能となった。

 三菱樹脂は、2016 年 3 月から当該成果を織り込んだ製造設備で AQSOA(R)Z02 の製造を開始し、実機での安定生産を確認してきた。これを以て 2017 年 3 月から当該成果を適用した AQSOA(R)Z02の販売を開始した。安価な AQSOA(R)Z02 の提供が可能となることで、今後は産業分野や輸送機器での排熱利用プロセスや空調の高効率化等、未利用熱の有効活用に弾みがつくことが期待される。

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1 未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発

 プロジェクトリーダー小原春彦氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所エネルギー・環境領域研究戦略部研究戦略部長)のもと2013年度~2022年度(うち2013~2014年度は経済産業省にて実施)で革新的な技術の研究開発を行う。

2 未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)

 運輸・産業・民生の分野において一次エネルギーの半分以上が利用されずに排熱になっている課題を解決するために、18企業、1独法、1一般法人が革新的な技術開発等の事業を行う中心的な組織として、平成25年10月17日に設立。詳細はホームページ:http://www.thermat.jp/

3 AQSOA®Z02

三菱樹脂登録商標:CHA型シリコアルミノフォスフェート。

4 市販合成ゼオライト

 石化触媒用途、自動車触媒用途および石油精製触媒用途等に用いられ、市販されている合成アルミノシリケートおよびシリコアルミノフォスフェート。

5 未反応原料

 シリコアルミノフォスフェート製造時の未反応Si原料、Al原料、P原料およびゼオライトに取り込まれない構造規定材。

6 吸着等温線

 一定温度のもと、水蒸気分圧と吸着量の関係を示した性能曲線。

7 工程能力

 製品のスペックに対する製品スペックの製造安定性を示す指標。

 

 

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 08月09コンバーテック8月号(本文32頁)掲載のウイル・コーポレーション/日本HPの記事で、タイトルに一部誤りがありました【訂正PDFはこちら】