製造業向けバーチャル・プロトタイピング・ソリューションの先駆者でありソフトウェア・サービスのプロバイダーであるESI Groupは、複合材成形ソフトウェアの最新版、ESI PAM-COMPOSITES 2017をリリースした。複合材の成形プロセスをシミュレーションする統合ソリューションのこの最新版は、自動車や航空機の連続繊維強化プラスチック構造部品および半構造部品、また複合材による熱可塑性音響・化粧内装パーツや装飾品にも対応している。
 自動車・航空宇宙などの複合材設計・製造プロセスでは、軽量化・剛性・耐久性など広範囲にわたる品質課題に加え、価格も要件以内におさめる必要がある。このような課題に対し、PAM-COMPOSITES 2017では、各種物理現象を基にしたモデリングと、各成形工程間で繊維配向、温度・硬化度履歴といった材料履歴を受け渡すことにより複数工程の解析をリンクすることが可能で、製造上の問題を高精度に予測・修正する。
 これまでの同ソフトウェアの機能向上においては、高い構造的性能が求められる連続繊維強化複合材パーツが中心であった。今回リリースするPAM-COMPOSITES 2017では、一般に自動車や航空機の内装に使用される複合材の熱可塑性音響・化粧部品を対象とし、成形による部位ごとの伸びや板厚変化を予測する。それらは製品のノイズやNVH(騒音・振動・ハーシュネス)性能に大きく影響を与えることが知られている。また、製造中に発生する引き裂きやシワといった典型的な不良もシミュレーションによって予想し、修正することができる。複合材パーツをさらに高精度に評価できるため、時間とコストがかかる物理的な試行作業を削減できる。
 自動車の規制が強化されるとともに、車室内で使用される素材も変化してきた。日本のフロアカーペット・メーカーである寿屋フロンテ(株)は、ゴム製カーペットから新しい合成素材のカーペットへの切替えに、PAM-COMPOSITESを活用してこの課題に取り組んだ。
 寿屋フロンテの研究開発部 音響・解析・実験グループの藤野拓視氏は次のように語っている。
 「ESI PAM-COMPOSITESには、カーペットの解析に必要な機能とパラメータが用意されています。解析の正確さや使い勝手に優れており、画像で表示される解析結果もわかりやすいため、当社ではこのソフトを高く評価しています。計算時間を短縮するにはどうしたらよいか、どのようなモデリングが必要かなどESIにいろいろ相談しています。日本イーエスアイの支援もあり、寿屋フロンテでは吸音型カーペットのシミュレーションを早期に実用化できました」
 PAM-COMPOSITES 2017の新機能としては、現物のプロトタイプで行うようなグリッドのセグメントごとの長さの変化を解析することができるグリッドトレーシングツールもある。また、新機能のエレメント除去によって、複合材製品の熱成形中に生じる物理的な繊維の裂けを視覚化することができる。自動車と航空機の内装デザイナーやプロセスエンジニア向けに設計されたPAM-COMPOSITES 2017は、プロセス重視のグラフィカルインターフェースを採用しており、有限要素解析の専門家でなくても利用できる。

■ESIグループについて
 ESI Groupは、「材料物理学」を重視した革新的なソリューションおよびサービスを提供する『バーチャルプロトタイピング』のリーディングカンパニー。物理的な試作と実験を仮想的な設計・製造・アセンブリ・試験・評価に置き換え可能とする独自のソリューションを開発してきた。今日の最新技術を駆使したESIのバーチャルプロトタイピングは、製品の使用開始から寿命にいたるライフサイクルでの性能評価を課題とする、より広いコンセプト:Product Performance Lifecycle™を提唱する。それは、シミュレーション・物理学・データ分析を活用しHybrid Twin™を作成することで、よりスマートに製品を開発し、その実製品とのつながりを保ち、製品使用期間全域での性能予測とメンテナンス必要時期の予期を可能にする。
 ESI GroupはNYSEユーロネクスト(コンパートメントB)に上場しているフランス企業。世界40カ国以上の顧客ニーズに応えるため、全世界で1,200人以上のスペシャリストを雇用し、2016年には1億4,100万ユーロの売上を計上している。

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