橋本 巨・東海大学教授
橋本 巨・東海大学教授

コンバーティングの生産現場では、ウェブ原反はもとより、塗工剤、ラミネート材料をはじめとする加工素材の多様化、材料価格の高騰、生産そのものの高速化・広幅化、より厳しい加工精度、より多機能化する加工要求をはじめ、様々な課題が突き付けられています。こうした中、コーティング、ラミネーティング、プリンティングといった加工技術に比べ、これまであまり関心が向けられていなかった、ロール・トゥ・ロールの搬送、巻出・巻取といった『ウェブハンドリング』技術への注目が高まっています。この背景には、コンバーティング製品の良否を最終決定するのは、実は、ウェブハンドリングにおけるトラブル発生メカニズムの解明にほかならないと気づきはじめたからです。どんなに高機能で高価な材料を、原反に精度良くコート、ラミネートしても、後工程でシワが発生したのではどうにもなりません。あるいは、ロール状に巻き取った際に巻締まりが生じてはロットアウトになります。こうした理由から、最終的な生産工程の出口に位置するウェブハンドリングも、実はコンバーティング技術の重要な要素といえます。すでに米国では、一部大手企業を中心にウェブハンドリングに関する研究が進められています。また、日本でも、精密工学会を中心に研究がスタートしていますが、コンバーティング分野に特化した研究は遅れています。
 そこで、ウェブハンドリングの研究で世界的に有名な、東海大学・橋本 巨教授の全面的なご支援の下、また、コンバーター、コーターメーカー、ラミネーター/グラビア印刷機メーカー、スリッター/リワインダーメーカー、ウェブ検査装置・システムメーカー、制御システムメーカーの賛同を得て、2005年度から「ウェブハンドリング技術(WHT)研究会」を立ち上げました。
 ウェブハンドリングに関連する基本的な要素技術の勉強を通じ、会員相互がウェブハンドリングに対する知見を深め、ひいては、各社の持つ“匠の技”とウェブハンドリング技術研究会で得られた理論的成果を組み合わせることにより、国際競争力のある企業体質、モノ作り体制の構築・再構築、新しい加工機械・システム等の設計製造に役立てていただければと祈念しております。