【東日本大震災】ハイデルベルグ・ジャパン、「東北復興支援ポストカードカレンダー」の制作経緯とIGAS終了後の被災地での配布活動についてレポート 印刷
2012年 2月 01日(水曜日) 19:11

 ハイデルベルグ・ジャパン(株)では、東日本大震災で被災した人々の復興を願って、震災以降、様々な支援活動を続けてきた。昨年9月に開催されたIGAS 2011では「復興支援コーナー」を設け、福島、宮城、岩手各県の印刷工業組合理事長から寄せられたメッセージと共に、各県の物産などを紹介した。
また、和田 誠氏のイラストによる「東北復興支援ポストカードカレンダー」、東北の復興を願って子供たちが描いた「チャイルドペイント」をあしらったペーパー貯金(募金)箱は、同会場で印刷・後加工して来場者に配付した。
 中でも「東北復興支援ポストカードカレンダー」は、イラストレーターの和田 誠氏をはじめ、数多くの印刷関係者に多大なご協力をいただいた。東北のために「できることをひとつひとつ続けたい」という思いがカタチとなった、このカレンダーの制作経緯と、IGAS終了後に行った被災地での配布活動について、ハイデルベルグ・ジャパンは以下のようなレポートをまとめた。

「避難所にはカレンダーがない」というニュースを聞きプロジェクトがスタート
 2011年は4 年ぶりのIGAS開催年とあって、日本の印刷関係者にとって忙しい年の始まりでした。
 当社でも早くからIGAS2011の出展準備に取りかかる予定でしたが、3月11日以降は震災で被災されたお客様の復旧・支援活動などを優先していたため、展示会の準備はスロースタートになっていました。さらに震災の影響でIGASの開催そのものを懸念する声もありましたが、困難な時期だからこそビジネス活性化のために、被災地の復興に役立つためにと予定通り開催が決まったとき、私たちもまた被災された皆様に向けて、何かできることはないかと模索し続けていました。そうした際に「被災地の避難所にはカレンダーがない」というTVニュースを見て、プリントメディアに携わる私たちにも「何か出来ることがあるはず」、たとえカレンダーであっても、地震と津波で多くのものを失った被災者の方々にとって「少しでも役に立って欲しい」と思ってスタートしたのが、この「東北復興支援ポストカードカレンダー」プロジェクトでした。しかも展示会での印刷実演用サンプルとして企画すれば、無駄を最小限に抑え、復興への思いをつないでゆけると考えたのです。
印刷関係者の思いをひとつにした「東北復興支援ポストカードカレンダー」
 このプロジェクトには、JAGDA(社団法人日本グラフィックデザイナー協会)事務局長の大迫 修三氏にオーガナイザーとしてご参加いただき、イラストには週刊文春の表紙などで有名な和田誠氏の作品を使用させていただきました。和田さんは昨年4月から毎週10枚、20週にわたって描き続けた絵を「東日本大震災チャリティーイラストレーション」として販売し、その収益金を義援金として送っていました。本プロジェクトでは特別に、このチャリティーイラストレーションのなかからマザーグースの連作16作品を使用しています。さらに印刷用紙は株式会社竹尾様、箔と箔型はクルツジャパン株式会社様、抜き型は株式会社ティーディーエス様、パッケージデザインは河原紙器株式会社様にご協力をいただき、印刷と後加工をIGAS会場で当社が行いました。東北復興のために「今、できることをひとつひとつ続けたい」という印刷関係者の思いをひとつにして、会場では多くの来場者の皆様にお持ち帰りいただきました。通常、展示会が終わると、残った印刷サンプルは捨てられてしまうことが多いのですが、今回はすべてセットにして東北へ届けるという、無駄がない環境にもやさしいプロジェクトになりました。
被災された皆様に笑顔を届けるプリントメディアの底力  
 IGAS2011が無事終わってから、私たちは被災された東北各地の皆様にカレンダーを届けました。
 10月5日には当社のスタッフが福島県二本松市に開設された浪江町役場を訪問。馬場町長にカレンダーをお渡し、浪江町から避難されている方々にお配りしました。
 10月4日〜14日、仙台市内で開催された日経報道写真ギャラリー「記憶 忘れてはいけないこと」の会場では図録購入者にカレンダーを進呈しました。同じように日経新聞社様を介しては東北各地の仮設住宅を取材している記者の方々にお願いして、訪問先の皆様に届けていただきました。
 11月には福島県いわき市で仮設住宅を回って野菜などを販売しているNPO法人シニア人財倶楽部を通じて、いわき市の仮設住宅の皆様にもお渡ししました。
 また、岩手県岩泉町の伊達町長を通じて仮設住宅にお住まいの皆様にカレンダーをお配りしました。
 さらに12月に入ってからは「ふんばろう東日本支援プロジェクト」のボランティアの方々の力を借りて、12月10日~11日には東北三県各地で開かれたクリスマス会での配布をしました。
 そして、12月24日~25日には津波の被害が大きかった岩手県宮古市や山田町でのお餅つき大会でのプレゼントとして、仮設住宅に暮らす子供たちやお年寄りの皆様に数多くのカレンダーを届けることができました。カレンダーを受け取った皆様は、誰もが心より喜び、感謝してくださったそうです。
 プリントメディアには被災地に明るさを取り戻す力、子供たちに笑顔を届ける底力があります。印刷業界が低迷を続けるなか、プリントメディアにはまだ、かけがえのない価値があると実感させられた今回のプロジェクトでした。「3月の風と4月の雨が5月の花を実らせる」とあるマザーグースの唄のように、被災された皆様に一日も早く真の復興の日が訪れることを願ってやみません。

最終更新 2012年 2月 01日(水曜日) 19:56