修正Hakiel モデルを用いた巻取ロール内部の応力分布のグラフ化 印刷

 空気巻き込みを考慮する場合の巻取ロール内の(i)半径方向応力分布と(ii)円周方向応力分布、(iii)ロール層間摩擦力、(iv)初期空気膜厚さ、(v)巻き取り終了後の層間空気膜厚さを、下記に示す条件下でニップローラを用いない場合とニップローラを用いる場合(ニップ荷重100[N/m])について計算し、グラフ化せよ。

<ウェブパラメータ>
 ウェブ厚さ50[μm]
 幅0.5[m]
 円周方向ヤング率5[GPa]
 半径方向ヤング率の公式中の係数C1=1000000,C2=0.5,静摩擦係数(ウェブ-ウェブ)0.3,rms 合成粗さ(ウェブ-ウェブ)0.1[μm],ポアソン比0.001
<コアパラメータ>
 外径0.1[m]
 内径0.08[m]
 コアのヤング率200[GPa]
 コアのポアソン比0.3
<ニップパラメータ>
 ヤング率4[GPa]
 半径0.1[m]
 ポアソン比0.5
<巻取条件>
 層数2000
 巻取張力200[N/m]
 巻取速度1.0[m/s]
 ニップ荷重100[N/m]
 テーパ率0.2
【解説】
 例題28 で扱ったHakiel の巻取理論では、周囲の空気の巻き込みは考慮されていない。したがって、Hakiel 理論は厳密には周囲に空気がない状態、すなわち真空状態で巻き取る場合にのみ適用可能なモデルである。通常の巻取作業は大気中で行われるので、ロール内部には図29-1(a)に示すように空気が巻き込まれ、それによって内部応力状態が大きく変化する。一般には空気を巻き込むことによってロールは軟巻状態になるので、スリップ(テレスコープ)が生じやすい。これを防ぐために、同図(b)に示すようなニップローラを用いて空気の流入量を制御することが行われている。Hakiel の巻取理論では、これらの現象を考慮していないので、現実の巻取問題に適用するためには理論の大幅な修正が必要である。例題29は実用上極めて価値の高い修正Hakiel モデルを扱っている。

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