コンバーテック2021年10月号プレサービス
47/110

シート化したリサイクル炭素繊維パウダー状のリサイクル炭素繊維素繊維の販売事業だ。表1にもあるように、CFRPは、炭素繊維とエポキシ分解物※3に分けることができる。 同社は、CFRP製品の製造工程で排出する端材や廃材(ゴルフのシャフトなど)を購入して、リサイクル材の原料としている。分離法自体は、混合プラスチックごみと基本的には同じだ。グリコール系の溶剤が入った溶解槽に廃CFRP、触媒を加えて、常圧環境・275℃で処理を行うと、エポキシ樹脂は溶剤に溶け、炭素繊維は溶剤中に沈む(図2)。溶剤を蒸発させることでエポキシ分解物が得られ、炭素繊維はリサイクル炭素繊維(rCF)として回収できる。※3 エポキシ樹脂を解重合した後の粘度、分子量が低下した物質のこと。11どを主力事業とする。「これまで当社が行った主な分離テスト例です」と立花社長が見せてくれたのが、表1の資料だ。混合プラごみ、家庭プラごみから、炭素繊維強化樹脂(CFRP)やガ混合プラスチックごみを油化した燃料油(左)と溶剤抽出法により不純物を除去した燃料油(右)ラス繊維強化樹脂(GFRP)といった工業材料、太陽光パネルや家電、食品のみかんまで、実に多種多様な実績が並んでいた。 「(溶剤によって劣化する)靴などの皮革製品以外は、ほとんど分離に成功しています。非常に汎用性の高い技術です。こうして、使用済みの製品から分離したリサイクル材を、バージンの代わりに使っていくことが、私たちの一番の目標です」と立花社長は強調する。表1 アースリサイクルによる湿式法を用いた分離テスト例分離した物3P/混合樹脂(PET、ナイロン)/土砂・金属3P/混合樹脂(PET、ナイロン、ウレタン)/土砂・金属3P/混合樹脂(PET、ウレタン)/土砂・金属3P/混合樹脂(PET、ビニロン)/鉄・鉛PET/銀ナイロン/シリコーンPET/PEPVC/鉄・ステンレス銅/ガラス繊維/ICチップ充填剤/エポキシ分解物/金・銅・レアメタル金属/3P/PVC/ナイロン/PCアルミ/PE/PETなどガラス/PEなどガラス繊維/ポリエステル/充填剤アラミド繊維/ポリスチレン/ポリエステル炭素繊維/エポキシ分解物難燃剤/ポリエステルなどPVC/紙/PE銅/PVCなどEVA/アルミ/ガラスなど銅(エナメル剥離)PVC/ポリエステル、PVC/ガラス繊維PVC/紙PE/ナイロン/アルミPE/アルミPP/添加剤ABS/PPなどガラス/ABS/金属など金属/銅/リチウム/コバルトポリエステル/綿/ナイロンセルロース/竹酢/リグニンウレタン/PE/金属PET/PE、PET/ナイロンセルロース/リモネン/リグニンインジウムの回収アルミ/セルロース/PE/染料または顔料分離前1混合プラスチック2家庭プラスチック3シュレッダーダスト4漁網5X線フィルム6エアバッグ7カーペット8窓枠9電子基板10ICチップ11医療系プラスチック12建材シート13ガラス複合材14ガラス繊維強化樹脂15消防用ホース16炭素繊維強化樹脂17カーテン18壁紙19銅線20太陽光パネル21エナメル線22テント23ポスター24ラミネートフィルム25ブルーシート26フレコンバッグ27家電(洗濯機など)28スマートフォン29リチウムイオン電池30古着31竹32布団、ソファ33不織布34みかん35液晶ガラス基板36牛乳パック※アースリサイクル提供資料より編集部にて作成※3P=PE, PP, PS端材・廃材を購入して リサイクル原料に 従来、同社の事業は、こうした分離・油化技術の開発が中心であったが、最近力を入れるのが分離したリサイクル材の販売であり、その一例が炭

元のページ  ../index.html#47

このブックを見る