コンバーテック2021年10月号プレサービス
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i ilytisnetndezamroN55図5 拡散特性パラメータAngle非周期性)を最適化することで、細かな制御が可能となっている。 さらに、拡散用途としてのMLA設計では、非周期性の付与と同時に、実際の作製の容易さを考慮した周期性の設計が重要なポイントになる。DMLAは、図6に示すように、多数のマイクロレンズからなる単位セルを縦横に並べて敷き詰めた「タイリング」構成となっている。単位セルの中のレンズ配置は同じ場合も異なる場合もあるが、隣り合う単位セルの境界部分で不連続な形状とならないようにマイクロレンズの配置を工夫している。この単位セルのサイズは、後述するフォトリソグラフィー工程でのパターニングデータ処理負荷を左右するため小さい方図7 単位セルのサイズによるマクロ格子模様の見え方の違い図6 MLA基本セルのタイリング1.00.5FWHM angleUnit cell size:0.8 mm×0.8 mmLens size:30μmFlatnessCut offTiled DMLA 12 mm×12 mm(15×15)Unit cell size:4 mm×4 mmLens size:30μmTiled DMLA 12 mm×12 mm(3×3)の非周期性は大小レンズの偏在によってマクロなテクスチャ模様が視認されやすくなる問題があり、双方を考慮して最適化される。HUDは基本的に拡大光学系であるため、高倍率の場合、TFT/LCD近傍に配置される拡散板の表面構造が見えてしまう場合がある。このために各々のマイクロレンズのサイズは小さくする必要がある。単位面積中のレンズ領域の割合(平坦部分の面積)である充填率は、拡散用途では100%であることが必要になる。これにより通過するすべての光が拡散光成分となる。図5に示すように、ゼロ角度付近の平坦度やカットオフ角度での急峻さなどの拡散特性は、前述のレンズパラメータ(曲率、非球面係数、配置、が好ましい反面、単位セルのサイズによってはタイリングの繰り返し構造が格子模様として見えてしまう問題が生じることから、作製工程と見栄えの両方を加味して決定される。図7に示すように、単位セルサイズを0.8×0.8 mmから4×4 mmへと大きくすることで見えなくすることができている。多層化・複合化と機能付与4.DMLAの構成4.1 ガラスDMLA レーザープロジェクタで広く使用されているガラスDMLAは、図8に示すように、ガラスウェハ上に通常のフォトリソグラフィープロセスによって作製される。ホウケイ酸ガラス、もしくは石英ガ

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