コンバーテック2021年10月号プレサービス
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89「経営のあり方と組織整備」についての問い「ITシステム構築の枠組み」についての問い表1 DX推進度の自己診断シート項目①経営としてのビジョンの設定DXが願客視点の価値を生み出すためのビジョンを明確に示せているか②経営トップのコミットメントDX推進のための組織整備にトップがコミットしているかDX推進のための体制構築および関係者のマインドセットは醸成されているか③DX推進体制とマインドセットの酸成④定量的進捗管理の仕組みDX推進の取り組み状況や経営変革の度合いを計測しているか⑤ITシステムの要件構築するITシステムはDXの推進の要件を満たしているか⑥ITシステムの評価と既存のITシステムのリスクや能力を評価し、活用できるものが見極められているか仕分け⑦ITシステムの構築体制ITシステムの要件定義や設計ができる体制は構築できているか⑧定量的進捗管理の仕組みITシステムの構築状況を計測しているか問い自社の回答点数/3/3/3/3/3/3/3/3合計/24⑧定量的進捗管理の仕組み〜ITシステムの構築状況を計測しているか〜 ④のDX推進の進捗と同様に、ITシステムについても構築状況の進捗管理が必要となる。画一的な定義は困難だが、通常のITシステムの開発における予実差異、データ鮮度やサービス改善の頻度、リードタイムなどが定量指標となる。 以上、『DX推進指標』をアレンジして、「経営のあり方と組織整備」「ITシステム構築の枠組み」の2部に分けて計8つの診断項目を設定し、各3点満点(計24点)で簡易な自己診断の枠組みを提示してみた。最後に、表1に一覧表を示しておくので、ぜひ活用してみていただきたい。どの項目もまんべんなく重要であり、合計点だけで一概に断定はできないが、あえて乱暴を承知で申し上げると、次のように評価できるのではないかと考える。●6点以下:速やかに経営レベルでのDX推進検討会議を開催し、自社の課題の把握から始めたい。●7点以上12点以下:課題の把握はある程度進み、取り組みの方向性は定まっていると思われるが、今一度ギアを入れ直し、活動の加速が望まれる。●13点以上18点以下:取り組みは一定程度進んでおり、成果も出始めていると思われるが、進捗に遅れが生じている可能性がある。必要に応じて見直しが望まれる。●19点以上:取り組みは概ね好ましい状態に維持されていると思われるが、油断せずに着実に進捗させるとともに、“2025年の崖”を見据えて可能な部分は前倒しで対応されたい。 さて、DXの総論は今回までとし、次回からはDXの推進対象領域ごとの各論に進み、DXの実行に伴うありがちな課題を取り上げ、取り組みの速度を落とすことなく、課題を乗り越えて力強く推進し続けるための要諦について、事例を交えながら議論したいと思う。最初に取り上げる領域は、「ビジネス創造・イノベーション」である。ご期待いただきたい。Copyright©TECHCONSIGLIEInc.Allrightsreserved.

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