コンバーテック2021年12月号プレサービス
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水水銀液体エチルエーテルヘキサンメチルアルコールエチルアルコールアセトン酢酸エチルメチルエチルケトンシクロヘキサン酢酸トルエンベンゼンエチレングリコールモノエチルエーテルアニリンホルムアミドグリセリン表面張力 (20℃)(dyne/cm)(* 臨界表面張力) 17.0 18.4 22.6 22.6 23.7 23.9 24.6 25.0 27.7 28.5 28.9 48.430.0 42.9 58.0 63.4 73.0 480 ポリビニールアルコール35〜37ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリエチレンテレフタレート固体表面張力(dyne/cm)テフロンシリコーンポリエチレンポリプロピレンポリスチレンポリ酢酸ビニル18.5203132〜3332〜3336.539404345〜46ナイロン50エポキシ樹脂木材鉛40〜50約410約500約760約940約1140約1360約1720* 臨界表面張力:表面張力が判明している液体を固体表面に濡らし、接触角がゼロに相当アルミニウム亜鉛銀金銅鉄液体ab固体a>ba<bする表面張力を、その固体の臨界表面張力と言う。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■現象が発生することが多くあります。6.4 濡れの接着への影響 接着の発生は、図65に示したように、良く流れて、(表面を)良くよく濡らし、強く固まり、良く接着、硬化することにより生まれます。そこで、まずは接着剤が被着体に良く濡れることが重要です。6.4.1 水の濡れ現象 濡れとは、固体表面に液体が広がる現象のことです。例えば、雨の日にスーパーマーケットの入口に置かれている低密度ポリエチレン(LDPE)製の傘入れフィルム袋、このフィルム上に水を垂らしてみると、水滴は広がらず丸くなり、濡れないで下に落ちてしまいます。この場合、「水は濡れない」と表現します。一方、家庭用アルミ箔の上に水を垂らすと、薄く広がった膜状の水が観察できます。この場合、「水は良く濡れる」と言います。 それらの現象を図66に示しました。図66 水の濡れ現象図67 固体表面と液体コンバーテック 2021. 12この現象は、接着剤でも同様に観察することができ、ポリエチレンフィルムに塗られた接着剤は、濡れが悪く、接着剤は広がらず、結果として良い接着は得られません。 これに対し、アルミ箔では、接着剤が広がるので、強い接着が得られます(ただし、アルミ箔面が油などで汚れていると、接着強度は得られません)。 このように、濡れは良い接着を得るには非常に重要な要因になります。優れた接着を得るには、被着体の表面が良く濡れるようにする必要があります。 現在、ポリエチレンフィルムのように表面の濡れが悪いものには、事前に表面処理が行われてから使用されています。 ところで、ポリエチレンフィルム上の水滴に見られるように、液体には自ら表面積を出来るだけ小さくしようとする性質があります。それは液体の表面に、液体内部に向かおうとする引力、表面張力が作用するからです。これが凝集力です。また、この張力は、固体表面にも見られます。図67に固体表面に液体をのせた場合の模式図を示しました。 固体と液体との間には、固体が液体を拡張させようとする力(a)と、液体の凝集しようとする力(b)が働き、aがbより大きい(a>b)と、液体は広がって濡れた状態になり、逆にaがbより小さい(a<b)と液体は球状になろうとします。ここで見られる表面張力は、単位長さ当たりの力、すなわち、d■■■yne/cmで表されます。主な液体の表面張力と固体の表面張力(臨界表面張力)を表171)に示しました。 フィルムの表面張力を高める方法には各種あり、砂を吹き付けて微細な凹凸を形成するサンドブラスト法、炎を当てて高温処理するフレーム処理法、コロナ放電やプラズマによって表面処理を行うコロナ放電処理法やプラズマ処理法、オゾンを吹き付けて表面を酸化させるオゾン処理法、その他、溶剤139表17 主な液体・固体の表面張力1)、2)

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