コンバーテック2021年12月号プレサービス
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外 気活性酸素発生装置「AOS」スーパースーパーオキシドオキシドヒーター水 草OHラジカルに変化水 草水 草水草を撹拌コンバーテック 2021. 1217図1 α-Gaiaによる水草の分解・乾燥高速活性酸素処理装置を食べられ、発酵時間を大きく短縮できるわけです」 乾燥には、菌が発酵する際の発酵熱を利用するため、エネルギーコストを抑えることができる。同社によると、発酵を始めてから1日で50℃に上がり、最高70℃程度にまで上昇して発酵、乾燥が進んでいく。 少しテーマはそれるが、活性酸素で前処理をして発酵を進めるという点では、メタン発電※2にも応用が可能だ。同社は現在、エネルギー企業とともに活性酸素を用いたメタン発電の実証実験を行っているとのことだ。性酸素処理装置がある。いずれも、活性酸素によって水草などの有機物を分解、減容化するが、α-Gaiaはヒーター機能を持つため、分解に加えて乾燥処理も可能だ。そのため、水草を粉末材料として再生させることができ、実際に「水草粉末」は、ブラックバスの皮やガラス工芸品を色付けする着色剤に利用された。 ただ、α-Gaiaはエネルギーコストがかかるため、農業用の堆肥には適さない。そのため農業向けには、乾燥機能のない、より低コストの高速活性酸素処理装置を使用している。青山社長は、「県は毎年6000トンの水草を回収しているわけで、この量の水草を有効活用するには、やはり農業利用が欠かせません」と指摘する。サである米ぬか、水分を吸着させる炭を混ぜて、5〜10日間をかけて発酵処理を行い堆肥化する。そのため、水草から堆肥を作るのには2週間もあれば十分だという。 「活性酸素による分解処理は、発酵の前処理という位置付けです。生物でも植物でも細胞膜は強固にできていますが、それを活性酸素が分解するため、発酵菌を投入するとすぐに発酵が始まります。通常は菌が細胞膜を破るのに1カ月程度かかっていたわけですが、当社の技術では活性酸素が事前に破ってくれているので、菌はすぐに栄養分※1  スーパーオキシドも活性酸素の一種だが、青山社長によると、有機物を分解させるにはOHラジカルである必要がある。※2  生ごみ、家畜排せつ物などを嫌気環境で微生物の働きによって分解し、メタンガスを取り出して、発電に利用すること。OHラジカルが水草の細胞膜を分解 同社は、水草の分解に、活性酸素の中でも酸化力の高いヒドロキシラジカル(OHラジカル)を使用している。酸化力はオゾンの1.3倍で非常に高いが、一方で弱点もあると青山社長は言う。 「OHラジカルは、発生してから100万分の1秒で消滅してしまうため、水草の真横で発生させる必要がありました。そのため、当社では2段階で発生させようと考え、まず活性酸素発生装置『AOS』で空気中の酸素分子に電子を1個導入してスーパーオキシド※1を生成し、このスーパーオキシドを水草の水分と接触させて、OHラジカルを生成させました(図1)。スーパーオキシドであれば、発生から6〜10秒間は存在しますので、その間に水草の近くにまで持って行き、OHラジカルに変えるというわけです。OHラジカルは、水草の炭素結合を切断して細胞膜を分解しますので、体積は10分の1に減容化します。水草の投入から減容化までの処理時間は約1時間です」 減容化後は、水草に納豆菌と菌のエ

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