コンバーテック2021年12月号プレサービス
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○9紙サンプル項目対ウレタン樹脂剥離強度(g/3cm)150℃・2分ESCAによる表面分析酸素原子数(O/1000C)MFR(g/10min)PP/紙間接着性PPラミ厚(μm)密度(g/cm3)Tmp1融点DSC(℃)Tmp2樹脂の種類PPA社品B社品4606017904522300.9040.903108107158159ホモポリプロピレン+ポリエチレンホモポリプロピレン+ポリエチレンA社品B社品△〜×540光電子(運動エネルギー)X線サンプル測定深さ数+ÅO原子数17/1000C当たりOis530結合エネルギー(eV)9/1000CCis29076コンバーテック 2021. 12 剥離紙の一種に合成皮革製造工程で使われる<工程紙>(Casting PaperまたはProcessing Paper)があります。ブーツのエナメル調やバッグの艶消し調、はたまた牛・羊・ワニ・オストリッチ・ゾウ皮などの柄パターンは、あらかじめ工程紙につくっておき、これにウレタンや塩ビなどのレザーペーストを塗って乾燥、裏地の基布を貼り合わせ、工程紙から剥がし合成皮革製品とします。得られたレザー表面は、工程紙表面の艶・柄が転写され、例えばワニやオストリッチ皮のようになるわけです。ちなみに剥がされた工程紙は、繰り返し何度も使用されます(ウレタンレザーでは5回以上、塩ビレザーでは10回を超えることもあります)。代表的な合成皮革には、ウレタンレザーと塩ビレザーがありますが、ウレタンレザーの方が肌触り・通気性・柔軟性が良く、本革に近い外観も得やすいので高価です。表1 PPラミ工程紙A社品とB社品の比較 なお、<合成皮革製造用工程紙の種類><要求される品質><製造方法と品質評価>については、これまで本誌に述べてきましたので注1)、それをご覧いただくとして、今回は、今でもウレタンレザー用に最も多く使用されている「PPラミ工程紙の剥離性」について、かれこれ40年前に行った検討結果ですが、多くが未発表でしたので、ここにいくつか紹介したいと思います。【検討①】<PP工程紙A社とB社で剥離性が違ったが何故だろう?>から検討を始めました。表1を見て下さい。同じタイプの工程紙ですが、A社とB社でウレタン樹脂に対する剥離性が大きく違っています。まず、E■■■SCA法で図1 ESCAによるPP表面の分析柴野 富四余聞③「合成皮革製造用PP(ポリプロピレン)ラミ工程紙の剥離性」<オモチは感熱接着剤にもなる!?> <PP製“レンジモチアミ”><沖浦和光著『インドネシアの寅さん』>粘着と剥離

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