コンバーテック2021年12月号プレサービス
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)mc3/g(度強離剥脂樹ンタレウ対)mc3/g(度強離剥脂樹ンタレウ対表2 押出成形温度とMFRの変化【検討③】<押出成形温度と剥離性>図2は、押出成形温度とウレタンに対する剥離強度の関係を調べた結果です。原料PPは検討②と同じもの。ウレタン樹脂は同じものですが乾燥条件を変えてテストを実施。PP押出成形温度が高くなるにつれ、剥離強度が増大していることが分かります。云いかえれば、成形温度を低くすれば剥離性が向上しました。【検討④】<PP系樹脂の種類と剥離性>結果を表3に示しました。剥離性の違いは、単にホモPP・PE混合系、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーなどのカテゴリーだけでは理解できないことが分かります。【検討⑤】<各種ポリエチレンの剥離性>ここではPPを一度はなれ、PE単独のウレタン樹脂に対する剥離性を調べました。図3が結果です。PEの中では密度の低い方が剥離性に富む傾向が見られました。成形温度(℃)255290310MFR(g/10min)316172注)原料未加熱PPペレット(MFR:14)*MFR:230℃に加熱し、一定荷重をかけた時の単位時間(10分)当たりの樹脂の流量10050LDPELLDPE110LLDPE20.90*ウレタン乾燥条件130・℃2分密度(g/cm3)50010050250℃成形温度(Tダイ出口樹脂温度)ウレタン樹脂乾燥150℃・2分乾燥140℃・2分乾燥130℃・2分300℃荷重2.16kg加熱230℃樹脂径2.095mm長さ 8mmg/10分HDPEMDPE0.95図3 各種ポリエチレンの剥離性コンバーテック 2021. 1277図2 押出成形温度とウレタンに対する剥離性PPの表面分析を行いました。結果が図1です。剥がれ易い(剥離強度が小さい)B社品の方が酸素原子のピークが小さく、表面酸化が進んでないことが分かります。 また、両者の樹脂層を剥がし溶融粘度指数メルトフローレート(MFR)を測定したところ、B社品の方が1/2小さな値でした!(何故だろう?)PPと紙との接着性を調べてみると、A社品ではラミ厚が小さいにもかかわらず良く接着している。B社品では接着が良くなく容易にフィルム状に剥がせました。一般にPP/紙間接着性は、押出成形温度が高くなる程、またラミ厚が大になる程良くなるので、A社品はB社品に比べラミ温度が高いことが推測されました。ESCAの結果も、成形温度が高く樹脂の表面酸化が進んだと考えると理解し易いわけです。 なお、原料樹脂メーカーでは単に“ポリプロピレン”と称していましたが、DSC分析などの結果、両者の樹脂の種類は<実はポリプロピレン単独でなくポリプロピレとポリエチレンの混合物>であることが明らかになりました(このことは、後に重要な意味をもつこととなりました)。【検討②】<押出成形温度とPP・PE混合物のMFR>押出成形温度とMFRとの関係を調べたのが表2です。成形温度が高くなるにつれ、MFRが増大していることが分かりました。粘着と剥離

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