コンバーテック2021年12月号プレサービス
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ウェアラブルセンシング84コンバーテック 2021. 12ワコールと共同開発したiBRAのサンプルキムラタンのcocolin医療ウェアのサンプルジで販売中)は、Peach Aviation㈱で飛行機の客室乗務員のストレスによる退職率や体調管理に対応するために、業務中に着用された事例もあるという。またベビー・子供服を手がける㈱キムラタンが開発した、乳幼児の見守りWSD「cocolin」には、センサーとしてAGpossの導電性テープが使用されている。サブスクで導入ハードル緩和 ミツフジの着衣型WSDは、400社以上へ導入されており、建設現場での熱中症対策やトラック運転手の眠気対策、自治体による高齢者の見守りなどに役立てられている。年間に従業員1人当たり3着のウェアと、トランスミッター、アプリの一式を提供しており、導入先の約8割が製造・建設現場や運送業者などの製造管理部門だが、一部オフィスワーカーのストレスチェッカーにも利用されている。「昨年から新型コロナウイルスの影響でワーケーションや在宅勤務、レンタルオフィスといった場所を変えて働くなど、仕事への取り組み方が多様化しています。またオンライン上でのコミュニケーションが主体となっているケースについて、生体情報を活用して個人のストレスを把握したり、生産性をどのように向上させていくか等のニーズもあります。さらに当社では、今では当たり前となったサブスクリプション方式をいち早く取り入れ、WSDを販売しています。月額料金制にすることで導入のハードルを下げ、より気軽に使ってもらえるサービスを目指しました」と蒲生氏は語る。 ミツフジでは、WSDのトータルサポートだけでなく、一部の製品や技術のみのプラットフォーム提供も実施している。㈱ワコールのノンワイヤーブラジャーにAGpossをセンサーとして取り入れた「iBRA(アイブラ)」(ミツフコロナ患者への2次ツールに採用 医療分野でもhamonは採用実績がある。従来、脳波の異常が原因とされているてんかんは、発症前に心拍のRとR間の揺らぎで異常があることが最新の研究によって明らかになっている。ミツフジでは、日本医療研究開発機構が支援する医療分野研究成果展開事業で名古屋大学等との共同プロジェクトにおいて、てんかん発作予測用ウェアラブル電極シャツを入院中のてんかん患者に提供した。「24時間快適に着用いただくために、抗菌性を含んだ糸を使用したやわらかいタオル生地の医療用ウェアを作製し、着心地にもこだわりました。国内で100万人は患者がいるといわれる、てんかんの発作への不安に苦しむ方に、少しでも安心して暮らせることへの一助になることが我々の強い思いです」。 新型コロナウイルス感染症の罹患者には、昨年は京都で宿泊施設に滞在する軽症者に、今年は自宅療養者に、hamonが体調管理の2次ツールとして導入された。「体温と酸素飽和度の値が重症化のリスクを左右する重要な要素ですが、hamonを着ることでリアルタイムに心拍の変化を把握できるため、突然の体調変化にすぐに対応でき、また少人数体制で治療に当たる医療従事者の方々の負担の軽減、さらには2次感染を防ぐ効果を期待できるとのことで、採用いただくことになりました」。

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