コンバーテック2021年12月号プレサービス
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htgnerts evsehdA)mm/N(htgnerts evsehdA)mm/N(htgnerts evisehdA)mm/N(i43210i00Non-modified(A)(B)Temperature(℃)Temperature(℃)温度 : 160℃時間 : 10 min(20%)0.063Non-modifiedPET2.52.01.5(60%)1.00.50.0630.02740PETOnly NMP2.52.01.51.00.50.0630.048Non-modified40PETOnly DMSO2.75(100%)1.33(88%)0.590.010.10.5Concentration(wt%)1.651.561.63(100%)(100%)(100%)1.330.972540601.631.38(100%)1.23(100%)(100%)1.252540601.80(100%)1.0(100%)0.84(100%)801001201.26(80%)(100%)8010088コンバーテック 2021. 12をアロンアルフアで接着した場合の剥離強度を示しており、値から全く接着性を示さないことが分かる。またSCCBC/DEP溶液に対して常温で浸漬処理を行った場合も同様の剥離強度であり、ほとんど改質効果がないことが分かる。一方、浸漬溶液の温度を上げていくと、それに応じて剥離強度が大きく増加していくことが分かる。また図中の%で表している数字は、試験中に試験フィルムが 図5のように破損した確率であるが、これも温度とともに増加し、160℃では88%のフィルムが試験途中で破損するほど強力に接着することが示されている。一番右端は、確認のために160℃のDEPのみの溶液に浸漬した場合の結果であるが、非改質PETとほとんど同じ値となり、やはり全く接着性が付与されていないことが分かる。すなわち、溶液中のSCCBCによりPET表面が改質され、接着性が付与されたことが分かる。 図6はSCCBC/DEP溶液による接着機能のSCCBC濃度依存性を評価したものである。図からSCCBCがわずか0.01wt%の濃度においても破損する試料が現れた。さらに濃度を上げることにより接着力は増加し、0.5wt%が最大値を示し、1.0wt%になると逆にやや低下した。これは過去SCCBCによるPE表面の親水化検討を行った時と類似の結果であり、濃度が増加すると溶液中でSCCBCがミセルを形成し安定化するために、基材表面へ移行するSCCBC濃度が減少し、改質能力図5  非改質PETならびに160℃のSCCBC/DEP溶液により改質を行った試験片のT型剥離実験後の状態。(A) 非改質PET、(B)160℃のSCCBC/DEP溶液改質PETが落ちることが原因であると考えられる。 図7は溶媒をNMPに変えた場合の剥離強度の改質溶液温度依存性の結果である。図中左から2番目のSCCBCがない場合には、40℃のNMP溶液でも接着性が現れないことが分かる。しかしSCCBC/NMP溶液を使用した場合、25℃においてもPETフィルムに接着性を付与することができ、さらに40℃以上では試験を図6 SCCBC/DEP溶液改質の濃度依存性結果(%は、試験片の破断確率)図7 SCCBC/NMP溶液改質の温度依存性結果(%は、試験片の破断確率)図8 SCCBC/DMSO溶液改質の温度依存性結果(%は、試験片の破断確率)行ったすべてのフィルムが破損する非常に強固な接着性が発現された。 同様に図8はDMSOを溶媒に用いた時の結果である。NMP同様、やはりDMSOのみでは改質効果が表れないが、SCCBC/DMSO溶液を用いた場合、驚くべきことに25℃で全試験フィルムが破損するという改質効果を得ることができた。しかもこの改質効果は80℃付近まで

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