コンバーテック2021年12月号プレサービス
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糖OOOnt(0500(nポリ乳酸(PLA) ) ))■)(L/g)△)(%w率(積蓄)●)(L/g量(産生量(重体菌燥乾BH3PBH3P■ 一般的なバイオプラスチックの合成法:3ステップ生産■ PHAの合成法:2ステップ生産 図3 バイオプラスチックの合成プロセス図4  筆者らが発見した■■■■■■■属細菌による廃棄海藻を用いた海藻プラの合成例)ポリ乳酸CO2 + H2O植物光合成バイオプロセスCO2 + H2O植物光合成糖、植物油0.80.60.40.2■■■■■■■属細菌粉砕したコンブの廃棄部分糖化処理不要微生物発酵乳酸化学合成ケミカルプロセス微生物発酵オールバイオプロセス244872培養時間(h)96ポリマー抽出150 mLスケール培養海藻プラフィルム(m:0−5)mOPHA1510P(3HB)フィルム化95しているはずだという単純な思い付きから、約3年の歳月をかけて目的の性質を有する微生物の探索を行った。海藻成分を利用できるPHA合成菌発見までの経緯についてご興味がある方がいれば、過去の総説をご参照いただけると幸いである7)。積年の探索を経て、最終的に我々は、ワカメ・コンブなどの褐藻類が多量に含有する糖質であるマンニトール(乾燥重量中〜20%を占める)やアルギン酸(乾燥重量中〜40%を占める)を単一炭素源として利用し、典型的なPHAであるポリ(3-ヒドロキシブタン酸)[P(3HB)]を蓄積できる微生物を見出すことに成功した8)〜11)。特に、アルギン酸を単一炭素源として利用できるP(3HB)合成菌である■■■■■■■属細菌は、世界でも2例目の報告であり、新規性が高い微生物であった10),11)。本菌は、粉砕した廃棄コンブを栄養制限培地に添加するのみの糖化処理のないシンプルな操作でも、培養24時間と短い時間でP(3HB)を合成できた(図4)。また、本菌株は、海洋より見出した好塩性菌であることから、原料の海藻に付着している海水を洗浄する必要がなく、原料前処理に必要なコスト削減が期待できる。さらに、塩濃度の高い培養条件は、培養時に他の菌による汚染のリスクが軽減される。これらの特徴から、我々が見出した■■■■■■■属細菌は、世界に先駆け、現状最も海藻プラ合成のプラットフォーム菌に適しているのではないかと考えている。5.海藻プラの可能性について 冒頭でも述べた通り、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標SDGsに向けた世界的な取り組みが行われている。海藻プラは、そのSDGsの中でも、12:持続可能な消費生産形態を確保する、13:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる、14:持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する、という3つの目標と関連付けて考えることができる。さらに、日本は国を挙げて、コンバーテック 2021. 12「2050年にCO2排出量実質ゼロ」を目指している。このような世の中の流れに伴う顧客の環境意識の上昇が商品の環境性能の選択基準も高めている。したがって、企業にとって、温室効果ガスの排出削減、サーキュラーエコノミー、ゼロウェイストに向けた努力が必須となってきた。 トヨタ紡織ではこれまでも、軽量化による燃費向上およびCO2排出量削減のため一年草植物「ケナフ(■■■■■■■■■■■■■)」を活用した自動車内装部品を開発、製造から廃棄までのライフサイクルCO2抑制と石油資源使用低減のため、「ひまし油」を原料としたウレタンシートの開発をCONTRIBUTION

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