コンバーテック2021年12月号プレサービス
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材料製品図4 現実的なRTRプロセスのイメージ図図5 工程が直列に並んだRTRライン図6 現実的な汎用RTR生産ライン。工程ごとにいったんロールを巻き取る プロセス1材料送り出しロール一方から材料が投入され、反対側から製品が出てくるようなRTRラインは現実的ではない駆動ロールプロセス2裁断機打ち抜きプレスシート(回路製品)受け取り(シート工程へ)次工程へそもそも、多くのエレクトロニクス製品の最終形態はロール状ではなく、適当な長さに切らなければならない宿命にある。一部のエレクトロニクスモジュールメーカーや回路メーカーにおいては、出荷形態として、ロール状、あるいはリール状になることがある。そのような場合であっても、最後にユーザーの手に渡る前には、ロールをカットしなければならず、所■オールRTRラインというシステムは、実現困難な技術ということになる(図4)。 しかしながら、1つのエレクトロニクス製品を作るには、多くのステップが必要であるが、その一部をRTR化することは十分に可能であり、それなりに意義があるといってよい。ただし、留意しておかなければならないのは、ロール状で処理してきたフレキシブル回路は、いったんカットしてしまうと、それから後にはロールでの処理ができないことである。言い換えれば、フレキシブルなエレクトロニクス製品の製造プロセスの前半の工程(前工程)からRTR化を始めて、順次後ろの工程(後工程)に広げていくのが順当なアプローチということができる。実際に工程のRTR化に成功しているメーカーはこのような手順で進めているようである。 また、1つのエレクトロニクス製品を作り上げるのに、工程が直列に並び、全体が一定の速度で処理されていくということも、決して当たり前のことではない(図5)。現実的な製造ラインでは、工程ごとにライン速度が異なっていることの方が当たり前で、速度が異なる工程ごとにいったんRTRプロセスを完了させ、改めて次のRTRプロセスをスタートさせることになる(図6)。さらに、実際のデバイスの加工、組み立て工程では、直列どころか、魚の骨のようになることが一般的で、工程の設計や管理はさらに煩雑なものになってくる(図7)。 RTRシステムとは、標準的な工程設計や設備があって、それを購入して当112コンバーテック 2021. 12

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