コンバーテック2025年4月号_見本
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り'仁99る3)。薄膜では、近似式よりも短い波長でレイリーテイラー不る※4として、ここでは定性的な説明と天下り的に式を紹介する。CDNVERTECH C口NVERTECHCDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH C口NVERTECHCDNVERTECH C口NVERTECHC口NVERTECH 使用イメージ●洗濯剤…洗濯槽ワリーナー漂白剤、衣類用洗剤なと●消臭剤…簡易トイレ、浄化槽なと使用でき、計量も簡素化できます。●コンクリート混和剤●花のたね、肥料`農薬一皿甘咤四誦1ti-内容物の粉体・個体に触れることなくCONTRIBUTION図6  下の緑の領域がシリコンオイル、上の黒の領域が水である。シリコンオイルの方が軽いため上昇する。このとき、図のように波打つ状態になり(レイリーテイラー不安定性)、その部分から上昇する5.まとめ81参考文献3)より引用1)A. Onuki, Phase Transition Dynamics, Cambridge University Press(2002).2)Pierre-Gills de Gennes, et al., 表面張力の物理学, 奥村 剛訳, 吉岡出版(2013).3)K. U. Kobayashi and R. Kurita, Sci. Rep,. 12, 6290(2022).角に入り込みやすい。最後に、この現象について流体力学的な観点から説明する。液体が段差に到達した直後、液体層は擬似的に空気中に浮いている状態になり、その後、重力によって落下する。塗り広げの時間差を考えれば、段差の端から徐々に落下し、気泡が入らないように思えるかもしれないが、レイリーテイラー不安定性が起こるため、それほど単純ではない。レイリーテイラー不安定性とは、液体が軽いもの(例えば、空気)の上にあるときに起こり、膜状態から波打ち状態に変化し、最終的には液滴に変化する現象である(図6)。身近な例として、天井に水をかけたときに水滴が形成されて落下してくる現象や、水や空気の対流もレイリーテイラー不安性によって生じる。この理論は流体力学をかなり使うので詳細な説明は専門書に譲流体は理想的な平面のとき、力はつり合ってしまい、落下することはできない。現実的には熱揺らぎなどで多少の凸凹が存在しているため、その凸で液体が落下し、凹で気体が上昇して入れ替わる。しかし、平面が波打つと表面積が増加するため、表面エネルギーは損するため、細かい波を作ることはできない。この表面積増加と重力エネルギーの競合で波長が決定される。コンバーテック 2025. 4流体力学を使うと、不安定波長λがλ~2πκ−1と決定される。水の場合、毛管長が2mm程度であるので、10mm程度の波長となる。これは10mmより短い膜の場合、不安定性が起きにくく、落下しないことを意味している。塗り広げに戻ると、塗り広げが速く、落下する前にλ以上進む状況になるとレイリーテイラー不安定性が起き、液体がたわみ、気泡が図5のように閉じ込められてしまう。定性的な考え方は変わることはないが、最近ではレイリーテイラー不安定性は膜の厚みに依存する結果もあり、上の近似式が使えないことも分かってきてい安定性が起こることに注意が必要である。 本稿では、塗装にも関わる読者が多いと考え、表面張力、基板への濡れ、気泡の安定性、流体の不安定性について、物理学的性質を基礎から解説した。基板に付着しやすい気泡は、一度生じてしまうと取り除くことはなかなか難しい。気泡を生じさせないためには、流体力学的不安定性を意識する必要があり、おおよその近似解は求められる。実際には、表面の凸凹の影響は大きいため、真空保存や塗装具の清潔管理が重要だと思われる。最後に、塗装の物理が現場で活用されることを期待して、筆を置きたいと思う。<参考文献>l:%,"日本製紙パピリア株式会社機能品事業本部機能品部TEL03-6665-5880 ※4:例えば、参考文献2)などj茫:;元,7ヲ三詈:言正;ぢ霊、:し益瓢

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