コンバーテック2025年4月号_見本
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り'仁99口二 CDNVERTECH C口NVERTECHCDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH C口NVERTECHCDNVERTECH C口NVERTECHC口NVERTECHCONTRIBUTION使用した混紡繊維PET前駆体のBHETを高純度で回収分別した綿繊維図4 マイクロ波を用いる綿/ポリエステル混紡繊維の分別・リサイクル図5 マイクロ波照射前後の混紡繊維のSEM写真4.おわりに85高効率!数分の加熱で分別が完了触媒、エチレングリコール綿/ポリエステル混紡繊維電子レンジと同じ原理マイクロ波照射装置綿を回収分別後ポロシャツ生地分別前ろ液を結晶化ポリエステル繊維、PETボトルに再生乾燥後綿を回収既存工業プロセス保ったまま綿のみが回収されたことが分かった(図5)。現在、回収した綿からの繊維再生テストを実施中である。また、有色の混紡繊維であっても分別・リサイクルが可能であり、幅広い混紡繊維製品への適用が期待される。 本稿で紹介したマイクロ波を利用した綿/ポリエステル混紡繊維の分別・リサイクル技術の開発は始まったところであるが、極めて簡便な操作、極めて短い時間による分解工程、安価な薬剤・触媒といった特徴に加え、将来的には使用溶剤の蒸留回収によるクローズ工程が設計可能であることから、資源循環性と実用性に優れると考えている。本技術は社会的な関心が高く、大手新聞社やテレビによる報道から多くの問い合わせがあり、既に数社から混紡繊維製品を中心にサンプルを入手して予備評価を実施している。最近の繊維製品にはストレッチ性を訴求すコンバーテック 2025. 4る製品が増えており、弾性繊維も混紡されている。また、ウール/ポリエステル混紡繊維に対する分別・リサイクル技術の要望も寄せられている。このように混紡繊維の分別・リサイクル技術への関心は高い一方、企業1社のみでは対応できず、繊維製品に関わる多様な専門企業がタッグを組んで取り組むべき社会的要請の高い技術課題である。本技術が解決の端緒となることを願っており、産学連携で一緒に取り組むプラットフォームの構築を目指したいと考えている。 図6に筆者が考えるプラスチックリサイクル・資源循環の将来像を示す。プラスチックや合成繊維は成形時に分子量、物性が低下し、さらに使用時の劣化もあり、MRできる範囲は限定される。一方、従来のCRはPET等、プラスチック種が限定され、5大汎用プラスチックのCRは困難とされていた。しかし、廃プラスチックの油化を伴うCRは適用範囲が著しく拡大される。従来は実用化が困難とされたバイオPPやバイオアクリル酸

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