コンバーテック2025年4月号_見本
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CDNVERTECH C口NVERTECHCDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH C口NVERTECH□□物質、油の滓□□では珍しくありません。繭山ょt914人に1人の子供が児童労働にたずさわっています。ついで中央・南アジアの2630万人、東・東南アジアの2430万人、北アフリカ・西アジア1010万人、ラテンアメリカ・カリブ諸国820万人となっています。2012年まで児童労働者数はアジア・太平洋地域に集中していました。しかし2016年以降、人口増加や貧困、内戦や紛争など複数の危機が重なり社会状況が悪化したことで、現在はサハラ以南のアフリカ地域が最多となっています。 児童労働にはいろいろありますが、全体の約70%(1億1210万人)の子供は<カカオやコーヒー、バナナ>などの農業および水産・林業で働かされ、残りの約20%(3140万人)は家事使用人やゴミ収集などのサービス業で、約10%(1650万人)は縫製工場などの製造業で働かされています。 ①<チョコレートの原料カカオ>の生産量世界一のコートジボワールとその周辺で児童奴隷労働が行われていることが、2001年欧米諸国で広く知られるようになりました。さらわれたり、□されたり、親に売られたりして多くの子供たちがカカオ農園に連れて来られ、厳重な監視下、日々殴られながら朝早くから夜遅くまで一日中強制的な重労働をさせられています。危険な高い木に登らされ、大人でももぎ取るのが大変なカカオの実を休みなく収穫し、鋭い大きなナイフで実を切り開いて中身を取り出す危険な作業に就かされたり、はたまた危険な農薬が散布される中、保護防具も与えられずその中で働かされていたようです。4歳から働かされていた子もいたと云います。ムチ打ちや脅しに怯えながら子供たちは働かされています。小学校へ行くことも出来ず、賃金も支払われず、食べ物もわずかで身体も痩せ細り、病気になればまともに治療されることもなく使い捨てにされています。 ②<手縫いサッカーボール>は主にパキスタン、インド、中国の児童奴隷労働により生産されてきました。わずか 2千円ほどの親の借金のカタに5歳頃から成人になるまで強制労働(「債務労働」)させられている子供たちが多くおります。硬い革を縫い合わせる作業は、世間の目を避けるようにもっぱら隠れた<暗い部屋>で行われています。そのため眼が悪くなり、指も痛め易いんです。またトイレも満足に行けず、長時間ずっと座りっぱなしなので、ヒザを痛める。ボールは1日1個つくるのがやっとで、その賃金は良くても60円程度です。失敗でもしようものなら賃金なし、さらにムチで打たれたり、柱に吊るされたり、暗い部屋に閉じ込められたり、食事を抜かれるなどの罰が待ち構えています。ちなみにナイキのサッカーボールを縫いつけコンバーテック 2025. 4ているパキスタンの児童の写真が『LIFE』誌に掲載されたのは、1996年の6月。1997年にはナイキがベトナム、インドネシアなどに委託生産していた下請け企業で、強制労働、児童労働、長時間労働、最低賃金以下の賃金、セクシュアル・ハラスメントの問題があることが明らかになりました。 ③<バングラデシュの船解体作業>に、少なくとも7000人の10〜18歳未満の児童が従事していることが2009年のNGO資料に公表されています。ほとんどの船は、アスベスト、鉛を含む塗料、カドミウム、ヒ素、PCB、放射性るため、船解体作業はILO条約では18歳未満の児童は就労することができないことになっていますが、バングラデシュやインドの炎天下の浜辺では、トーチやハンマーを使って人海戦術で解体が行われており、これに児童が従事しています。危険物質についての知識も与えられず、安全教育もほとんどなされないまま、有害化学物質に汚れた海水や泥の中に浸かりながら鉄の塊を切り出し人力で運び出しています。多くが裸足でヘドロの中に入って鉄板を収集するので、皮膚病や腰痛に苦しみながら1日12時間の危険な仕事に、多くが親の借金のために働かざるを得ないのです。時給はおよそ22円、それでも他の仕事よりは高いので子供たちはこの仕事に就くのです。重い鉄の下敷きになったり、有毒なガスを吸い込み死亡したり負傷するケースが後を絶たないと云います。船解体作業の労働災害は、平均して1週間一人が死亡、毎日一人が負傷していると云う報告があります。 先進国は廃船を自国で解体せず、船舶ブローカーを通して人件費の安い発展途上国に運び込み、そこで解体作業を行っているのです。日本も含む先進国の無責任さが、そこには存在しています。 ④<インドのシルク産業>では、債務労働の子供たちがたくさんおります。5歳から仕事を始める子供もこの産業子供たちが従事しております。繭を熱い湯の中に入れ繊維を結びつけているセリシンを溶かして糸を巻き取ります。彼らは熱い湯の中に手を入れ、繭にさわり、充分糸が巻き取れるかを確かめ、繊維の一つの端を探し、巻き取ります。途中で切れなければ一本の繊維の長さは平均700mにもなるそうです。熱い湯の中に手を入れる作業ですので、彼らの手や指は白く、ヒビや火傷、膿んだりして、水膨れの深い痕が出来てしまいます。作業は一日中立ったまま、休みなしで朝から夜九時頃まで行われるので、足も棒のように、有害殺虫剤など多くの禁止物質を含んでいから絹の繊維を巻き取る作業に粘着と剥離粘着と  剥離

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