コンバーテック2025年4月号_見本
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C口NVERTECHC口NVERTECHCDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH C口NVERTECHCDNVERTECH CDNVERTECH CDNVERTECH ti コンバーテック 2025. 4108Theory and Application of Web Handling詳細、購入はWEBサイトにて! ▲ www.convertechbook.com/電子材料の今昔にはヘリウムが必要になる。医療用画像診断装置のMRIを稼働させるためには超伝導の電磁石が必要であり、大きな冷凍設備と液体ヘリウム、液体窒素のタンクが並ぶ。最近の半導体や石英ファイバー合成の工場では縦横に多くのパイプが走り、あたかも近代的な化学工場のように見える。 最近建設されている大型総合病院では、多くのエレクトロニクス機器が設置されており、電気配線や通信ケーブルのみならず、治療や診断に使われる各種気体や液体を供給するパイプ類が張り巡らされ、その中には、たいてい不活性ガスが用意されている。今後マイクロエレクトロニクス技術はさらに発展・拡大していくことが約束されているといって良い状態であるので、ヘリウムガスをはじめとして、すべての不活性ガスの需要は確実に増大していくことが見込まれる。 今回は化学的には不活性な性質しかなく、地味な元素と思われがちな不活性ガスについて説明した。最新のマイクロエレクトロニクス製品を生産するためには、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスなしでは成り立たないことがご理解いただけたであろう。 次回は、比較的新しい金属材料について紹介する予定である。5.今回のまとめと次回予告コラム2   実験におけるガスのコスト 筆者は、学生時代における実習実験で様々なガスを使ってその比較を行った。そこで問題になったのがガスのコストである。ヘリウムは定常的に消耗するので、週にボンベ1本は使い、アルゴンはそれほど使わなかった。しかし、クリプトンは結構使っていたと思う。これは化学実験で使っていたアルゴンと質量数が近かったためである。毎週ヘリウムとアルゴンは大きいボンベ、ネオンやクリプトン、キセノンなどは小さなボンベを購入していた。研究室ではリットル単位で消費量を管理されており、それだけコストが大きかったものと考える。 ところで実験ではそれよりも高価なガスを使う必要性が出てきた。それが有機化合物であるエタンとプロパンである。炭素と水素で構成される普通のエタンガス、プロパンガスではない。分子中の水素原子を重水素原子で置き換えたものである。日本では供給してくれる企業がなく、米国のメーカーから直接購入した。その橋本 巨 東海大学教授 著体裁:B5判 314頁発行:2021年11月18日    第1版(訂正版)2刷定価: 5,500円 ( 本体5,000円+税10%)、送料別著者プロフィール:アメリカ合衆国マサチューセッツ州に拠点を置くDKN Research LLC創業者、マネージング・ディレクター。各種電子実装技術のエンジニアリング、技術開発、製品設計を手掛ける。エレクトロニクス実装関連分野で30年以上の経験があり、フレキシブル基板に関しては業界の第1人者。超高密度フレキシブル基板複合回路の技術で業界をリード。技術、ビジネスに関連して100件以上の論文を発表。また、関連分野での著作、講演多数。後その値段をチェックしてみたところ、1気圧1Lで30万円を超えていた。重水素がぶら下がっている場所によって値段がかなり違うことを知った。これらの重水素化したプロパンは1Lサイズのガラス容器に厳重に封入されていて、さらに何重にもクッション材で包み、木箱に入っていた。それだけ厳重に梱包されていたにもかかわらず、ちょっとした学生の不注意からガラス容器にキズを付け、高価なガスサンプル1Lをダメにしてしまった。その実験室の責任者であった主任研究員のA氏はすっかり憔悴し切って、しばらく学生研究員に実験を任せなくなった。後に彼の説明によると、実験の費用が余計にかかったことよりも新たに実験材料のガスを発注して届くまでに3カ月以上かかるので、そのスケジュールの遅延の影響が致命的であったという。彼はこの実験が成功することを確信していて、既に学会での発表を申し込んでいたのである。橋本 巨 東海大学教授 著体裁:B5判 262頁発行:2018年9月8日    第1版(改訂版)第1刷定価: 4,400円 ( 本体4,000円+税10%)、送料別dnumakura@dknresearch.comウェブハンドリングの 基礎理論と応用入門 ウェブハンドリング橋本 巨 東海大学教授 著体裁:B5判 377頁 発行:2015年1月25日定価: 11,000円 ( 本体10,000円+税10%)、送料別

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