宇部興産(株)は、アジア圏での需要拡大に対応するため、タイ・ラヨーン県にある子会社のウベファインケミカルズアジア(社長:Watchara Pattananijnirundorn(ワチャラ パタナニニランドン))の工場でポリウレタン原料のPCD(ポリカーボネートジオール)II期製造設備の増強に着手した。2020年7月稼働予定で、生産能力は倍増の年産8,000トン規模となる。
 PCDは宇部興産のファインケミカル事業の主力製品の1つで、主に高級ポリウレタンの主原料(ポリオール成分)として使用されており、自動車、家具、建材などのコーティングや人工皮革、接着剤などに採用が広がっている。PCDを使用したポリウレタンは、耐熱性・耐加水分解性・耐油性・耐候性等の機能が大幅に向上するだけでなく、肌触り等の素材としての高級感も含めて多くの面で優れており、需要が急拡大している。また、VOC規制強化等への対応のため、溶剤を含まない環境対応型水性塗料(PUD:水系ポリウレタンディスパージョン)の原料としてのニーズも高まっている。近年は、特に中国を中心としたアジア圏での消費者の高級・高機能志向の高まりや、法的環境規制強化による水性塗料への切り替えが増えており、引き続きPCDの需要増が見込まれる中、需要地に近いタイで増強する。
 宇部興産は、日本・スペイン・タイでのグローバルな技術連携を強化することで、ユーザーニーズに対応した新規グレード開発及びユーザーサポートにも注力する。これらの強みを活かし、世界一のPCDメーカーとしての地位をより強固なものにし、市場の成長を牽引していく。