宇部興産(株)は、世界的に拡大し続ける高付加価値ナイロンの需要に対応するため、欧州の子会社であるUBE Corporation Europe, S.A.U.のスペイン・バレンシア州にある工場に年産4万トンのナイロン6生産設備を増設することを決定した。稼働開始は2018年2月を予定。現在の生産能力と合わせると、UCEのナイロン6生産能力は年産7万トンになる。また、UCEの工場内には、新しいナイロンコンパウンド製造設備も2017年8月に稼働予定。

 食品やトイレタリー、洗剤等の包装用フィルム向けナイロン市場では、近年の環境志向の高まりに伴い、脱PVDC(ポリ塩化ビニリデン)フィルムに対する需要が高まっている。
 UBEグループではこの需要に対応するため、2015年にもUCEにおいてナイロン6樹脂の生産能力を1万トン/年増強し、欧州域内や米州等の顧客からの需要に迅速に対応し、出荷できる体制を構築してきた。
 今回増設するナイロン6生産設備は、宇部興産の独自技術を用いて中粘度・高粘度のナイロンおよびコポリマー系ナイロンを生産し、その製品は自動車、食品包装、モノフィラメントや魚網など様々なエンジニアリング用途の材料として供給される。今回の増設によりグローバルな対応力を高めるとともに、UCEにおいて10年以上の歴史を持つR&D部門を活用し、宇部興産は顧客価値向上に邁進していく。

 今回の増設に伴い、UCEは川下展開の強化と用途拡大、高付加価値製品の増産により、今後さらなる発展を目指す。また、今回の増設により約50名分の新規雇用が生み出され、UCEの従業員数は500名規模となり、過去5年間では約25%の増加を見込んでいる。

 UBEグループは世界3拠点でナイロン6樹脂を生産している。日本(5.3万トン/年)、タイ(7.5万トン/年)、スペイン(3.0万トン/年)の合計15.8万トン/年の生産能力を持ち、世界トップメーカーの一角を占めている。特に、包装用フィルム向けなどの押出用途では、その品質や成形性において顧客から高い評価を受けている。