三菱ケミカル(株)の炭素繊維複合材料である「SMC(Sheet Molding Compound)」が、トヨタ自動車(株)から今年9月に発売された「GRヤリス」のルーフに採用された。
 三菱ケミカルが開発したSMCは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数cmにカットした炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。プレス成形により2~5分程度の短時間で部材に加工でき、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間期材である「プリプレグ」に比べ、複雑な形状の部材を成形することができるという特長を持つ。また、機械特性が均質に近いため、従来の部材設計ノウハウを活かしながら比較的容易に炭素繊維を利用して、軽量化と高強度化を実現することができる。
 このたびのGRヤリスでの採用は、三菱ケミカルのSMCを使用することにより大幅な軽量化と高い部材性能を実現できる点、また、三菱ケミカルのSMCが複雑形状の部材を生産可能とする成形性に優れる点を評価されたことによる。トヨタに三菱ケミカルのSMCが採用されるのは、2017年2月の「プリウス PHV」のバックドアの骨格、同年3月のレクサス「LC500」「LC500h」のドアインナーおよびラゲッジインナーに続き、3件目。
 昨今の自動車市場では、電動化やCO2排出規制の強化等を背景に車体の軽量化に対する要求が高まっている。三菱ケミカルは、今後も炭素繊維・CFRPをはじめとする最先端素材の研究・開発を加速させ、技術革新の著しいモビリティ分野に対して最適なソリューションを提供すべく、積極的に事業を展開していく。