大王製紙()()福山医科および千葉工業大学は、セルロースナノファイバー(CNF)を利用した多孔質の人工骨補填材の開発に成功した。

 大王製紙、福山医科、千葉工業大学は、CNFを利用したセラミック人工骨補填材の共同研究で、人工骨補填の原料として利用されているリン酸カルシウムとCNFを混合し、乾燥、成形、焼結することにより、リン酸カルシウム系人工骨補填材を多孔質化できることを見出した。CNFをバインダーに用いることによりリン酸カルシウムの乾燥、成形が容易になることに加えて、さらに焼結によりCNFが消失することで、従来の発泡法注1と比較して、連通した微小な孔の比率(開気孔率)を高めることができる。これにより、孔内に細胞や血液が入り、自家骨化注2し易くなること、ならびに孔内に薬剤を充填して治療等にも役立てられること等の効果が期待できる。

 今後、引き続き3者共同で人工骨補填材の開発を進めるとともに、この効果は、リン酸カルシウム以外のセラミック材料でも発現することが確認できていることから、大王製紙は軽量化、断熱、吸音、吸着、ろ過分離等の機能性を持つ多孔質セラミック用バインダーとしてCNFの用途展開を進めていく計画。

注1 セラミック原料の分散液に気泡剤を添加し、発泡させて乾燥・焼結することにより多孔質化する方法

注2 孔内に骨の細胞が入り込んで成長し、患者自身の骨組織と一体化すること

 

多孔質の人工骨補填材について

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 なお、今回開発された多孔質な人工骨補填材のサンプルは、12月8日(木)から10日(土)まで開催される「エコプロ2016」(会場:東京ビッグサイト)の大王製紙ブースに展示される。