DIC(株)は、食品用着色剤、化粧品用途など天然由来色素の事業拡大を目的として、バイオベンチャー企業のデビュー・バイオテクノロジー社(英名:Debut Biotechnology Ltd.、本社:米国カリフォルニア州、以下「Debut社」)との天然由来色素の新合成法に関する共同研究開発を開始した。
 近年、
食品用着色料や化粧品用途などの分野で、石油由来の合成着色料から安全な天然由来着色料への代替ニーズが急増しているが、花や植物といった天然物から抽出される色素などの成分は含有量が少なく、抽出後に廃棄物が大量に発生するといった問題や、多くの土地、水を必要とするといった環境面での課題がある。また使用に当たり、天候不順による供給安定性や色目などの性能が振れるなどの農業特有の問題がある。
 この解決策として、細菌や酵母、藻類などを用いた培養による高効率生産が検討されてるが、細胞内の生体反応を用いるため、全ての反応プロセスを最適な条件で行うのが難しく、多くの副生成物が発生するという課題が残る。
 DICと共同研究を行うDebut社は、生体内で用いられる酵素を細胞から取り出し、最適な条件で反応させることで様々な物質を効率的且つ連続的に製造する「次世代バイオ合成プラットフォーム」を有している。同プラットフォームは生物と同じ酵素を用いるが、細胞を用いない(セルフリー)ため、全ての反応を最適化でき、安定した純度の高い目標物の合成が可能となる。また従来は含有量が低いために見逃されてきた有効成分を特異的に生産することも期待される。
 この研究開発では、Debut社の酵素反応に対する高い知見およびプロセスデザインと、DICの顔料やヘルスケア食品などのカラーマテリアル分野で培ったスケールアップ技術、品質管理、製品開発能力を組み合わせることで、従来にないサステナブルで高付加価値な天然由来色素の開発・製品化とグローバル市場での販売を目指す。
【関連ウェブサイト】
Debut Biotechnology Ltd.︓ www.debutbiotech.com