ダウは、環境(Environmental)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に関する初の統合ESGリポート「INtersections(インターセクションズ)」を発表した。同報告書は、環境スチュワードシップに関してダウが実現した顕著な取り組みや、全ての事業、チーム、サプライチェーンおよび地域社会を通じて、社会にもたらす好ましい影響をまとめたもの。ダウの2020年ESG報告書は、2003年から毎年発表してきたサステナビリティ報告書、また2018年から毎年発表してきたインクルージョンおよびダイバーシティ報告書「Shine(シャイン)」を進化させたものである。
 ダウの報告書「INtersections」には、世界をより良くしようと努力するダウの目指す目標およびコミットメントへの取り組み状況が詳細にまとめられている。具体的な重点取り組み領域としては、二酸化炭素排出量の削減、プラスチックにおけるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の構築、コミュニティー支援、公平性のある職場に対する活動などが挙げられる。さらに「INtersections」では、業界で最高基準のダウのコーポレートガバナンスの慣行についてもまとめられている。コーポレートガバナンスの慣行では、アカウンタビリティ(説明責任)の推進、長期にわたるステークホルダーの利益保護を目的としている。
 「2020年に起きた出来事により、多くのステークホルダーの生活においてダウのチームが担う、重要かつ積極的な役割が浮き彫りになりました。素材科学の専門技術を生かし、かつ当社パートナーとの連携を通じて世界にサステナブルな未来をもたらすという目的のもと、私たちはこの役割に真剣に向き合い、顕著な進展を遂げました。今年のESG統合報告書の発表は、大胆な目標設定に対する当社のコミットメントと、取り組み状況の測定を再確認するものです。また、業績に関する透明性を高める目的にも叶うものです」と、ダウの会長兼最高経営責任者(CEO)であるジム・フィッタリング氏は述べている。
 この包括的な報告書は、ESG経営原則および報告原則を、ダウのサステナビリティおよび企業の社会的責任に関する戦略に適用したもの。環境、安全衛生、インクルージョンとダイバーシティ、地域社会への貢献、コーポレートガバナンスに対する長年のコミットメントをさらに進化させることを目的としている。

 2020年ESG報告書の主な内容は次の通り。
<環境パフォーマンス:サステナブルな開発の追求>
◎自然の尊重:環境とビジネスの双方に利する、自然に関するプロジェクトより事業価値1億ドルを創出。開始後の合計創出金額は5億3千万ドルに上る。2025年までに達成する、同社目標金額10億ドルの半分を達成したことになる。
◎資源の循環:再生可能原料を使用した製品の売上高が3倍に伸長。現在、包装用途におけるダウ製品の81%が、再生またはリサイクル可能。さらにダウは初めて、シュリンクフィルムに用いるPCR(ポストコンシューマーリサイクル)樹脂を発売した。
電動クラッキング技術の拡大:シェルと協働し、クリーンエネルギーを動力とする電気によるクラッキング技術の開発に取り組んでいる。業界全体で二酸化炭素の排出を劇的に削減する画期的な取り組みが、この電動クラッキング技術。

<インクルージョンおよびダイバーシティ:意図、行動、サステナブルな施策の取り組み状況>
◎ダウACTs:ダウは、支援(Advocacy)、地域への貢献(Community engagement)、人材パイプライン(Talent pipeline)を改善するための総合的枠組みとコミットメントを開始した。構造的な人種差別と社会的不平等に対処するため、今後5年間で1千万ドル以上を投資することを約束している。
◎社内の投資:困難の多い2020年であったにもかかわらず、ダウは、従業員満足度において過去最高の全体評価となる74%を達成した。
◎インパクトを生む従業員エンゲージメント:現在、ダウのリーダーの98%がERG(従業員リソースグループ)に参加している。昨年は2千人の新規参加者があり、全社を通じて業界内最高クラスの参加率を達成
している。ダウはオール・イン・ERGファンドを通じ、世界中で実施されているインパクトあるコミュニティープロジェクトに対して25万ドルを寄付している。
◎サプライヤー・ダイバーシティ:ダウのサプライヤー・ダイバーシティ・プログラムの範囲拡大に注力し、多様なサプライヤーに1億1200万ドルを支出した。また、52の多様なベンダーを新たに迎えた。
◎兵役経験者の支援:ダウは、新しい軍事学位同等プログラムを開始した。アメリカやカナダで求職する兵役経験者のキャリアを円滑にすることが目的。
◎認定:ダイバーシティインク(DiversityInc®)誌が発表するダイバーシティランキング「DiversityInc Top 50 Companies For Diversity」では、ランキングが15上がった。また、働きがいのある会社研究所、ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団、ディスアビリティ:イン、アウト&イコール、インボルブ社、全米障害者協会、フォーブス誌、ピープル誌、ジェンダー平等の経済的配当、フィナンシャル・タイムズ紙より、インクルージョンおよびダイバーシティのリーダーとして認定された。

<コミュニティー:従業員、そして私たちが生活し働く地域社会への投資>
◎パーパス(存在意義)に基づく投資:コミュニティーにおけるインクルージョンの促進、明日を担う人材の構築、サステナブルなビジネス開発の支援、災害救援を目的とする、世界中で実施されているコミュニティープログラムに対し、3360万ドル以上の寄付を行った。
◎従業員の啓発:1万3800人以上の従業員が、世界中でボランティア活動に参加。ダウの#PullingOurWeight(自らの責任を果たすの意)クリーンアップ・キャンペーンを通じた540トン以上の廃棄物回収は、その一例。

<コーポレートガバナンス:アカウンタビリティの推進>
◎透明性:気候関連財務情報開示タスクフォースのガイドライン、およびサステナビリティ会計基準審議会の基準を継続的に実施。
◎業界をリードするダイバーシティ:多様な経験やスキルを重視し、取締役会のメンバーを継続して刷新。2020年から2021年にかけて、4人の新しい取締役を選任。現在、ダウの取締役会の55%が女性または米国における少数民族出身者。
◎リーダーシップ:同業他社との比較において、ダウの最高幹部における米国の少数民族出身者の比率は最も高く、女性リーダーの比率は2番目に高くなっている。
◎アカウンタビリティ:業績連動型報酬制度における指標に、新たにESG基準を設けた。サステナビリティ、インクルージョン、ダイバーシティにおけるダウのミッションに対して同社のチームが担うべきアカウンタビリティおよびコミットメントが反映されるようになった。

 2020年ESG報告書は、グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)スタンダードの包括オプションに準拠して作成されている。サステナビリティ会計基準審議会のスタンダード、および気候関連財務情報開示タスクフォースのガイドラインに対する報告も含まれている。ダウは、ESG情報開示に関する経営者の干渉に対してレビュー業務を実施するため、有限責任監査法人デロイト&トウシュ(デロイト)とも協業している。ESG情報開示は、2020年12月31日現在および同日までの期間のグローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)コンテンツインデックスで言及されている。よりサステナブルで公平性のある豊かな世界の実現に対する、業界をリードするダウのコミットメントについての詳細は、包括的な2020年ESG報告書(英文)を参照。