2021 08 24 toyoink 東洋インキSCホールディングス(株)トーヨーケム(株)は、東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻応用生命化学講座の研究グループ(和氣 駿之 助教ら)、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(青木 裕一 助教)との共同研究により、ベニバナの赤色色素カルタミンの生合成の最終段階を司る酵素(カルタミン合成酵素)の遺伝子を同定した。 
 トーヨーケムは、ベニバナ色素の国内トップメーカーとして、独自の抽出技術を用いて植物由来天然色素「リオフレッシュ® カラー」や可食性印刷インキなどの製造販売を行ってきた。ベニバナ色素は、紅花を約90日間栽培し、花弁を手作業で摘み取り抽出された赤色と黄色の色素で、食品や口紅などに幅広く使用されている。この度、紅花の植物内部で色素が合成される代謝メカニズムを解明するため、共同研究により赤色色素であるカルタミンの生合成メカニズムの解析を進めるに至った。
 この研究において、トーヨーケムは北海道栗山町に管理する紅花圃場および自社栽培の紅花花弁を提供するとともに、白、黄、オレンジなどの各種ベニバナ品種の生育状態の観察を行い、東洋インキSCホールディングス生産技術研究所は、ベニバナ内部の中間代謝物の分離・精製・解析のサポートを行った。
 今回の共同研究により、ベニバナの最終代謝物である黄色中間代謝物を赤色色素カルタミンに変化させる合成酵素の遺伝子が世界で初めて同定された。伝統的な紅(べに)の製造プロセスもカルタミンやカルタミン合成酵素の特性に基づいて合理的に説明できる。この研究結果に基づいて、より効率的に赤色色素を得る栽培方法の確立を進めるほか、現在解析を進めているすべての中間代謝物の生合成メカニズムの解明により、紅花生育環境を最適化し、さらなる効率的なベニバナ赤色色素の抽出技術に展開する。