BASFは、特許出願中の技術により、ポリアリールエーテルスルホンであるウルトラゾーン®(Ultrason®)を使用したマーブル模様の製品を、一般的な射出成形で製造することを実現させた。この着色技術により、家電製品、食器や容器類、ビジュアルパーツなどに無限のカラーバリエーションを提供し、色の濃淡や縞模様などの表面効果の再現が初めて可能になった。射出成形された製品は、外観は似ていても全く同じというわけではない。この技術は、射出成形グレードでもあるウルトラゾーン® E(PESU:ポリエーテルスルホン)およびウルトラゾーン® P(PPSU:ポリフェニルスルホン)での実績があり、ウルトラゾーン®がもつ優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性を備え、さらに食品接触に対する規則にも適合したユニークな製品を製造することができる。
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 BASF本社のパイロットプラントで開発された新しいプロセスにより、新型ノズルインサートと特殊な注入技術を用いることで、射出成形機でのマーブル模様の製品製造が従来よりも容易になり、プロセス信頼性も向上した。はちみつのような色合いを持つウルトラゾーン®は、淡い色合いのほか、木や大理石といった天然素材のような、単色ベタ塗りによる抽象的なパターンにも適している。
 「プラスチックの世界では、マーブル効果は常に目を引くものです。従来、このような効果は複雑な2つのコンポーネントからなる射出成形でしか得られず、再現性も保証されていませんでした。今回のマーブリング技術によって、ウルトラゾーン®の多彩なデザインの可能性に新たな着色方法を加えることができました。射出成形機の温度を適切にコントロールすることで、ウルトラゾーン® Pおよびウルトラゾーン® Eの射出成形グレードでは、魅力ある高コントラストのパターンが可能になります。これまでの実績では、透明、半透明はもちろんのこと、無彩色の製品も成形することができました」とBASFのグローバル ビジネス ディベロップメント ウルトラゾーン®担当者、ゲオルク・グレッセル氏は述べている。
 ウルトラゾーン®で製造されたマーブル模様の製品は、180℃までの過熱蒸気耐性、広い温度範囲における優れた強度と靭性、工業用洗浄剤に対する卓越した耐性および、繰り返し行われる滅菌処理への耐性を備えており、ボウル、カップ、皿、調理器具などの家庭用品や、電子レンジでの使用など 、様々な用途で使用可能。さらに、ウルトラゾーン®は、EUと米国の食品接触規制にも適合している。また、メガネフレームやハンドル、電気・電子機器のビジュアル製品、装飾パネルやカバーなどにもマーブル効果を出すことができる。
 このBASFのプロセスによるマーブリングは、可塑化ユニットとオープンノズルを1つしか備えていない一般的な射出成形機でも可能だが、プレカラー基材と高コントラストのカラーマスターバッチを、射出成形サイクルに同時に供給する必要がある。3Dプリンター製のノズルインサートを使用して樹脂の流れを分離したり結合したりすることにより、成形品のパターンが作られる。このインサートは、従来のプロセスでは難しかったミラーイメージのパターンだけでなく、回転対称のパターンも作成できるため、デザインの自由度が高くなる。ほかにも、ノズル設計、金型のゲートシステム、ゲートの位置、金型充填時の樹脂の流動挙動などによって、様々なパターンデザインが可能になる。BASFのこの新しい技術は、PESUとPPSUのほか、ウルトラゾーン®S(PSU:ポリスルホン)などの熱可塑性樹脂にも適している。
 ウルトラゾーン®は、PESU、PSU、PPSUを含む、BASFのスルホン系樹脂製品群の登録商標。この高性能素材は、電子機器、自動車、航空宇宙産業で使用される軽量部品のほか、ろ過用メンブレンや、熱湯や食品と接する部品にも使用されている。
 ウルトラゾーン®ブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができる。