2021 12 02 panasonic パナソニック プロダクションエンジニアリング(株)は、パナソニック(株)マニュファクチャリングイノベーション本部で開発した植物由来のセルロースファイバーを55%の高濃度で樹脂に混ぜ込んだ成形[1]材料『kinari』(※1)のサンプル販売を2022年1月より開始する。
 パナソニックグループでは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指す「パナソニック環境ビジョン2050」を、2017年に策定しました。2019年、グリーンプラン2018の完遂を受け、パナソニック環境ビジョン2050の実現に向けた重点課題に重きをおいたグリーンプラン2021を策定し完遂に向けて取り組んでいる。

 その中でも石油由来の樹脂使用量の削減などの環境負荷低減を目指して、セルロースファイバーを活用した材料開発を進めてきた。セルロースファイバーは、間伐材や木材の切れ端などの廃材の活用で、環境負荷が小さい資源として注目されている。2018年に開発した環境に配慮した新素材であるセルロースファイバー成形材料は、コードレススティック掃除機の構造部品に採用され、特に重要な特長である軽量化とともに環境負荷の低減に貢献している。さらに、2019年にはセルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込む加工技術(※2)により、褐色化しやすいセルロースファイバーを白色材料として生成することにも成功した。さらなる高濃度化として、2021年にはセルロースファイバー70%で樹脂に混ぜ込む複合加工技術(※3)と、それを製品化する成形加工技術と同時に量産成形に向けての開発も進め、新たな金型構造や成形プロセスの最適化と組み合わせることで、薄肉成形加工や着色剤なしでの高い木質素材感などを実現してきた。
 この度、セルロースファイバー含有量55%の成形材料については、試作検証を終え、材料の生産能力10トン/月の供給体制に目途がついたため、より多くの商材でご活用いただき環境貢献することを目指しサンプル販売を開始する。また、顧客のご要望により生産財(金型や成形プロセスなど)の提供も行う。このような取り組みを通し、高濃度セルロースファイバー成形材料の特長と優位性を活かした家電筐体や車載機構・内装部材、高強度とデザイン性を活かしたハウジング内装部材、大物家電外装や美容家電、服飾衣料品や日用品、また飲料・食品容器等への展開を進めていく。

<セルロースファイバー含有量55%成形材料の特長>
1. 天然由来の繊維であるセルロースファイバーを55%の濃度で樹脂(ポリプロピレン)と複合
2. 複合材料(ペレット)が白く、着色自由性が高い
3. 成形プロセス技術により木質感デザインを実現可能

※1:『kinari』はパナソニック株式会社の商標
※2:パナソニック株式会社プレスリリース
2019年7月8日 高いデザイン性を実現する高濃度セルロースファイバー成形材料を開発
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/07/jn190708-1/jn190708-1.html
※3:パナソニック株式会社プレスリリース
2021年2月4日 70%高濃度セルロースファイバー成形材料を開発
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/02/jn210204-1/jn210204-1.html

【用語解説】
[1]成形:材料を溶かして金型に流し込むことで製品の形に加工すること 成形することができる材料を成形材料という