帝人は、社内業務の効率化を目的としたグループ社員向けの生成AIサービス「chat テイジン」を導入した。日常業務のうち、文章の作成・翻訳・要約やデータの分析などに活用することで生産性向上を目指す。
 「chat テイジン」は、入力情報が外部に漏洩しないクローズドな環境を構築し、かつ、社内用の認証システムと連動させることによりセキュリティ対策を施した独自仕様のサービス。国内グループ社員のうち約8,000名にサービスを提供し、2023年12月末までの約3カ月間は試用期間としてデータを取得・分析するとともに、社員からのフィードバックを集約。2024年1月以降にそれらを反映させたサービスに拡充して本格展開し、さらなる生産性向上を図る。
 サービス導入にあたっては、生成AIを使用するために必要な「プロンプト(生成AIに指示を与えるために入力する文章)」や注意事項などについて解説する入門セミナーを実施するほか、社員同士で活用事例を共有するためのコミュニティを開設するなど、社員一人一人がAIへの理解を深めながら積極的に活用できる環境整備を推進している。
 また、2023年8月には帝人グループ内で生成AIを適切に使用するための「生成AIガイドライン」を策定しており、法令違反や情報漏洩などのリスクを抑制するためのルールづくりを行っている。
 帝人グループでは、イノベーション創出のための重点施策としてデジタル・IT技術の活用に積極的に取り組んでおり、このたびの独自仕様の生成 AIサービス導入は、その一環として位置付けている。