素材・化学産業に特化したベンチャーキャピタルである、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター(UMI)は、インド理科大学院 Indian Institute of Science(IISc)との間で戦略的パートナーシップを締結した。
UMIでは、2022年10月に設立したUMI3号投資事業有限責任組合において、海外とのリレーション強化に取り組んでいる。インドは、米中に次ぐ世界第3位のスタートアップ大国。経済発展とともに、エネルギー消費量が増大、環境汚染が深刻化する中で、IT・AI分野のスタートアップ以外にも、素材、エネルギー分野のスタートアップも多く登場しており、その技術は同様の社会課題を抱える新興国市場にグローバル展開が可能。UMIでは、2023年5月にインド人が創業した農家の干ばつ問題に挑む100%有機・完全生分解性を有する超吸水性ポリマーを開発するEF Polymerに出資した。日本の素材・化学産業とインドのスタートアップ・経済の相互発展を目指し、インド最高峰の高等教育機関で研究機関でもあるIIScとの間で、戦略的パートナーシップを構築することに決めた。これにより、インドのイノベーションに関心を持ち、新興国に生産拠点や市場を持つ大企業と、グローバル展開できるインド企業群との協業を促進し、グローバルな社会実装を図る。
以上の取り組みを通じて、インドと日本の強みのシナジーを生み出すことで両国の更なる発展を目指すとともに、我が国の素材・化学産業における新事業創出プラットフォームとしての地位を強化していく。
右)IISc, SID, Chief Executive, Prof. B. Gurumoorthy
左)ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター 山本 洋介 取締役
■インド理科大学院(IISc)について
タタ財閥の創始者であるJamsetji Nusserwanji Tataの支援によって、1909年に設立されたインドの国立高等教育機関で、インド工科大学(IIT)と並び、インドのトップアカデミアに位置づけられる。科学や工学の研究・教育活動に加えて、SID(Society of Innovation & Development)では、産業界との接点として、科学技術の社会実装を目指して、様々なインキュベーションの取組を行っている。