DIC(株)は、液晶テレビやスマートフォン、デジタルカメラなどの液晶パネルに用いられるTFT(Thin Film Transistor)液晶の一種で、高コントラストが表現できることからテレビ用途で主流となっているn型液晶のVA(Vertical Alignment、垂直駆動)モード(以下、n型VA)向けに、従来比でオフ応答速度を30%以上(同社PSA比)高速化することを可能にする液晶材料「ナノ相分離(Nano-Phase Separated: NPS)高速液晶材料」を開発した。
 オフ応答速度は、電圧印加を切ったときの液晶材料の動作速度を指し、応答速度が遅いと残像が発生しやすくなるため、スポーツなど早い動きの表示品位に大きく影響する。
 現在、液晶テレビでは、パネルの配向膜上にポリマ・ネットワークを形成したPSA(Polymer Sustained Alignment)方式が多く採用されているが、大幅な応答速度高速化が難しくなってきている。このたび開発したNPS方式は、配向膜上だけでなく液晶全体にポリマ・ネットワークを形成している。同社独自の分子設計、配合技術を駆使し、液晶分子との接触面積が拡大することにより、オフ応答速度を当社PSA比30%以上、向上させることに成功した。
 NPS方式ではポリマ・ネットワークを制御することにより、応答速度、駆動電圧、透過率をコントロールすることができるため、要求性能に合わせた製品設計が可能。また、液晶材料は、環境温度が低いと粘度が大きくなり応答速度が遅くなるが、同開発品は、低温環境においても常にPSA液晶を上まわる応答速度を発揮する。
 DICグループは、昨年発表した中期経営計画「DIC108」のなかで、TFT液晶材料を成長牽引事業の1つに位置づけ、液晶パネルディスプレーの主流となっているn型TFT液晶の拡販および製品開発に注力している。成長市場である中国での拡販や、このたびの新製品を含む高性能製品などを市場に投入していくことで、2018年までにTFT液晶市場において+10%(2015年比)のシェアアップを目指す。
 なお同社は、4月5日(水)~7日(金)に東京ビッグサイトで開催される「ファインテックジャパン2017」に同開発品を出品する。