三井化学産資(株)は、さく井業者である(株)森川鑿泉工業所と共に開発した地中熱利用システムの施工コストを大幅に低減する浅埋新システム「Geo-Mex R3™」が、江戸東京たてもの園 の事務棟空調設備に採用された。
 地中熱とは、季節や時間に関わらず温度が一定である地中の熱エネルギーのことで、夏は冷熱、冬は温熱として有効活用することで、節電、省エネ※1に貢献できる自然エネルギー。また、日本中どこでも利用でき、通常のエアコンが利用できない環境下(外気温‐15℃以下)でも利用できる万能性を備えている。また都市部での活用においては、冷暖房システムにより発生する熱を屋外に放出しないため、ヒートアイランド現象の抑制にも期待されている。
 今回、両社が開発した「Geo-Mex R3™」は、三井化学産資が開発した高い熱交換効率※2を実現する熱交換パイプを用いることで、従来工法(標準100m)より浅埋(30m)でも十分な熱交換を実現した新システム。これまで地中熱利用の大きな課題となっていた施工費用を、従来工法に比べ約30~40%低減(同積算熱量比較)できるだけでなく、多くのさく井業者が所有している小型の井戸掘削機でも施工できる汎用性を持ち合わせている。
 地中熱の活用は、ショッピングセンターや農業用ハウス、融雪用途、寒冷地の住宅などでの採用が進んでいるが、スマートタウン構想やZEB(ゼロエネルギービルディング)の実現に向けて、地域や季節、天候に影響を受けない地中熱利用システムは、更なる採用の拡大が期待されている。
※1 青森県の公共施設での調査(石上ほか、2010)では、従来システム(空冷チラー、灯油ボイラー、電熱線融雪)に比較し、エネルギー消費量で46%削減、CO2発生量で50%削減が確認されている(地中熱利用促進協会WEBサイトより)
※2 江戸東京たてもの園での予備試験の結果、同深度で比較し従来品比+37%の性能が確認された。