富士フイルム(株)は、皮革・合皮などの基材の質感を活かしながら、高画質な印刷が可能な画期的なインクジェット(IJ)ソリューション「UVIQUE」を、2020年10月1日より提供開始する。
 「UVIQUE」は、皮革・合皮などの基材に対して、優れた柔軟性(延伸性)、高耐久性を実現しながら、高精度に印刷できる同社のIJ技術である、UVIQUE技術を応用したもので、同社開発のソルベントUVインク*1「SU200インク」と(株)ミマキエンジニアリング社製のワイドフォーマットソルベントUV IJプリンター「SUJV-160」で構成される。
 一般的に、鞄やソファなど革製品の表面に絵柄を印刷する際には、皮革や合皮に印刷してから製品の形状に成型する。そのため、製品の形状に成型する過程で、印刷面に伸縮によるひび割れなどが生じないよう、柔軟で摩擦に強いインクが必要。また、製品として使用する際に求められる耐久性も満たす必要がある。
 今回提供を開始する「UVIQUE」は、従来技術では困難であった皮革や合皮の成型過程における伸縮の影響を受けない柔軟性(延伸性)と、摩擦に対する耐久性の両立を実現する。同社の素材設計技術と処方技術を基に新たに開発した、光硬化性ポリマー*2配合の「SU200インク」を、基材に対して安定的にIJ吐出し、強靭な膜質を持つ薄いインク膜を形成することで、基材の質感を活かしながら高精細で発色性に優れた加飾表現が可能。光沢基材では「光沢のある美しい仕上がり」を、凹凸がある基材では「基材の形状を活かした仕上がり」を実現する。
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 プリンター「SUJV-160」は、最大1,610mmまで印刷可能で、名刺入れなどの小物からソファなどのインテリアまで、多様な大きさの革製品に対応し、ファッション用品、スポーツ用品、車やバイクのシートといった耐久性が求められる幅広い領域で活用できる。さらに、革製品だけでなく、「SU200インク」の優れた柔軟性(延伸性)を活かして、自動車の内装など樹脂成型に使用する加飾フィルムにも高画質な印刷が可能。
 従来の皮革・合皮印刷プロセスは、凹部まで均一にインクを付着させることは難しく、皮革・合皮の表面に凸凹を付与するシボ加工前に印刷していた。これは、同一デザインの大量印刷に適したプロセス。一方、これまでのIJ方式による印刷では、シボ加工後の凹部までのインク付着は可能だが、インク層が厚くなり基材の風合いを削ぐとともに耐久性にも課題があるため、広く普及するまでには至っていない。今回提供を開始する「UVIQUE」は、凹凸のある基材に対しても強靭で薄く均一なインク膜を形成することができるため、シボ加工後でも、基材の風合いを活かしながら耐久性を実現する印刷が可能となり、IJ方式ならではの小ロット・多品種化の要求に応えることができる。
*1 UV光(紫外線)を照射することにより硬化する素材(モノマーまたは樹脂)、顔料、溶剤を含むインクジェットインク
*2 UV光(紫外線)を照射することにより硬化する樹脂