2021 07 29 aica アイカ工業(株)は、バイオマス原料を使用したUV(紫外線)硬化型ハードコート剤とハードコートフィルムの開発に成功した。電子製品や自動車部材向けにサンプルワークを開始しており、今年9月に発売する。
 開発の背景 気候変動問題への対応は喫緊の課題であり、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みが各方面で推進されている。近年、カーボンニュートラル※1の観点から、植物由来の原料を使用したバイオマスマテリアルへの関心が高まっており、その技術は燃料用エタノールやバイオマスプラスチックの製造などに広がってきている。樹脂製品を扱う同社もかねてよりグループをあげてバイオマス原料を活用した製品の開発に取り組んでいる。
 このたび開発されたのは、トウモロコシや大豆といった植物由来のバイオマス原料を一部使用したUV硬化型のハードコート剤「アイカアイトロンZ-962シリーズ」。UV硬化型ハードコート剤とは、UVを当てることで瞬時に硬化する樹脂で、ディスプレイ向けフィルムや電子製品の筐体等に使用されている。同社は、ユーザーごとの用途に応じて耐擦傷性や防汚性などの性能を付加させることを得意としている。
 バイオマス原料を使用したZ-962シリーズも、従来のアイカアイトロン同様、透明性や硬度を有するとともに耐擦傷性や防汚性、屈曲性などの各性能の付加が可能。あわせて、バイオマスフィルムにZ-962シリーズをコーティングしたバイオマスハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」も開発しており、同時に発売する予定。いずれも、各種ディスプレイの保護フィルムや自動車内装加飾などに適している。また、バイオマス度※2は30~40%※3を実現し、地球環境に配慮したモノづくりに寄与する。 今後は、フォルダブルデバイスや自動車内外装向け3次元加飾フィルム、抗ウイルス製品などの各製品にもサステナブル素材を積極的に取り込み、温室効果ガスの削減に貢献していく。
※1植物や植物由来のバイオマス燃料を燃やしても、植物は成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収しているため、ライフサイクル全体におけるCO2排出量の増減を実質ゼロとみなす考え方。
※2コーティング膜の乾燥重量に占めるバイオマス原料の含有率を示したもの。
※3付加する機能により異なる。

バイオマスハードコート剤およびバイオマスハードコートフィルムの特徴
■バイオマス度30~40%を実現しており、地球環境にやさしい
■高いハードコート性(鉛筆硬度2H)を有するため傷がつきにくく、耐久性に優れている
■耐擦傷性、光学特性、屈曲性に優れる
■ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」は、ディスプレイやプラスチック成形品などに一体成形が可能
※バイオマスマーク取得に向けた対応も可能。 バイオマスマークは、生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質および安全性が関連する法規・基準・規格等に適合している環境商品に表示が認められるマークで、一般社団法人日本有機資源協会が運用している。マークにはバイオマス含有率を表す「バイオマス度」が表示されており、下限値10から最大値100まで5%刻みで設定されている。製品ごとの番号取得となるため、カスタマイズ品の同製品では取得していないが、ユーザーの要望に応じて対応可能。
製品概要
■ 製品名 バイオマスUV硬化型ハードコート剤「アイカアイトロンZ-962シリーズ」 バイオマスハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」
■ 用途 各種ディスプレイの保護フィルム、自動車内装加飾など
■ 価格 オープン価格
販売開始時期 2021年9月(2021年7月より本格的なサンプルワーク開始)
年間販売目標 3億円