2021 10 28 toray 東レ(株)は、この度、2軸延伸ポリエステルフィルム 「ルミラー®」の表面突起の高さをナノオーダーで精密に制御することで、粗大な突起由来の表面欠点が無く平滑性に優れた高い品位と、滑り性などのハンドリング性を両立したフィルムを創出した
 この開発品は、微細化がますます進む半導体や電子部品用の機能性フィルムとそれら製造工程フィルムなどを中心に、幅広い用途への展開が期待される。既にパイロットスケールでの技術確立を完了しており、今後、早期に量産体制を整えていく。
 ルミラー®は、その優れた特性から、電子部品用途やディスプレイ用途における機能性フィルムや、同用途の製造工程で使用される離型フィルム、キャリアフィルム、保護フィルムなどの工程フィルムの基材として、広く使用されている。これらフィルムの高性能化には、表面に粗大な突起がない優れた平滑性が重要となる一方で、平滑化が進むと損なわれやすい加工適性や滑り性などのハンドリング性との両立が重要になる。
 従来の技術では、フィルム内部やコーティング層に滑剤粒子※1を添加することで、ハンドリング性の付与に必要な表面突起を形成することが一般的であった。東レは、これまで滑剤粒子の配列制御やフィルム構造制御による表面制御技術の極限追求により、同用途の小型化・薄型化などの進化に貢献してきた。
 一方、ナノオーダーでの微細化が進む最先端の半導体や電子部品用途では、滑剤粒子がわずかでも凝集すると、フィルム表面に粗大な突起が発生することでナノレベルの塗布欠点や転写欠陥となる他、ディスプレイ用途では光が散乱して透明性が低下することが新たな課題となっていた。
 この課題を解決するために東レは、独自の2軸延伸技術と特殊処理により、滑剤粒子を用いることなくフィルム表面にナノオーダーの微細な突起を高密度に形成する革新技術を開発した。同技術を適用することで、粗大な突起によるフィルム表面欠点の発生を抑制し、平滑性や透明性を大幅に高めることができる。同時に、微細突起の配列をナノオーダーに制御することで、高い品位を維持したまま、加工適性や滑り性などのハンドリング性の両立も実現できる。
これらの特長を活かし、半導体や電子部品用途の他、最先端のディスプレイ、光デバイス、電池材料用の機能性フィルム、および同用途の製造工程用フィルムへの幅広い用途展開を積極的に進めていく。
<用語説明>
※1) 滑剤粒子 フィルム同士の密着を防止して摩擦を軽減、滑り性を得るために使用される粒子。アンチブロッキング剤ともいう。