2022 07 27 nagase NAGASEグループナガセケムテックスは、高反発なゴム弾性を持ち、繰り返しの衝撃に強く、細密な3Dプリントデータを再現できる3Dプリンタ用レジン(樹脂)「RS-IAGシリーズ」を開発した。
 近年、3Dプリンタを使用したシューズ製造が注目されており、ソール部の設計自由度向上や、金型不要のため少量多品種に対応でき、廃棄物が少なくなることなどが利点となっている。
 商業製品は、細密なデザインを実現するために光造形方式※1を採用するケースが増えており、ランニングなどに使用されるスポーツシューズのソール部は、程よく反発する弾性と、部位ごとに設計されたデザインで走行性能を向上し、足の負担を軽減する製品が各社で開発されている。
 しかし、スポーツシューズは繰り返し強い衝撃が加わるため、材料の耐久性に課題があり、高反発で強靭な光造形3Dプリンタ用レジンが求められていた。
 RS-IAGシリーズは1液性※2の光造形3Dプリンタ用レジンであり、ナガセケムテックスの合成・配合技術により、卓越したレベルの強靭・高反発性を実現している。強度を保ちつつ軽量化できる、複雑な枝分かれの”ラティス構造”も細密に再現でき、足先やかかとなど部位ごとに枝の密度や線径を変化させて反発率を調整し、シューズの性能を引き出す設計が可能。また、透明なベース材料のため、各種クリアカラーに仕上げることが可能で、意匠性に優れている。
 さらにナガセケムテックスの3Dプリンタ用レジンは、用途や使用プリンタに合わせた性能カスタマイズが可能で、顧客と共に開発していく。
 研究開発拠点であるナガセケムテックス 播磨事業所(兵庫県たつの市)にはオープンラボを開設しており、顧客と共同で最終製品の検討が可能。中小型から大型の多種多様な3D光造形プリンタや造形物の強度測定装置などの各種物性測定装置を保有しており、印刷から光造形後の洗浄、コーティングなどのプロセスについても検討可能。3Dプリンティング製造のトータルソリューションを提供し、次世代モノづくりのニーズに応えていく。
※1   光造形方式とは、液状の紫外線硬化樹脂(レジン)に紫外線またはレーザー光線を当てることで造形物を作る3Dプリンタ方式。一般的である、熱で溶かしたフィラメント樹脂を積層するFDM方式に比べ細密なデザインの再現ができ、段差がない滑らかな仕上がりとなることが特徴
※2   紫外線硬化樹脂には、1液性と2液性があり、1液性はパッケージから取り出してそのまま使用できるのに対し、2液性は使用する直前に2つの液を混合する必要がある。2液性は主剤と硬化剤が分かれているため、2液の状態だと長く保管でき品質安定性は高いが、混合後はすぐに使用しなければならないため、生産性が落ちる。1液性は、生産性は高いが劣化が早いものが多い