キシダ化学と田岡化学工業は、発光特性、半導体特性を有する「ナノグラフェン」、およびナノグラフェンの原料等として用いられる「ジベンゾシロール」について、2024年1月より試薬販売を開始する。
ナノグラフェンは、ナノメートルサイズの幅や長さを有し、炭素原子からなる蜂の巣状の平面物質の総称。この度試薬として販売するナノグラフェンは、発光特性、半導体特性等を有することが特徴。また、ジベンゾシロールは一般的に有機EL発光素子、太陽電池素子に代表される有機半導体のビルディングブロック、その他各種有機材料の出発原料として多用されるとともに、ナノグラフェンの製造原料(※)としても用いられる化合物。
ナノグラフェン ヘキサベンゾ[ a,c,fg,j,l,op ]テトラセン
ジベンゾシロール 5,5-ジメチル-5 H- ジベンゾ[ b,d ]シロール
※ジベンゾシロールを用いたナノグラフェン合成例
ジベンゾシロールは、名古屋大学大学院理学研究科の伊丹健一郎教授/伊藤英人准教授らによって開発された、画期的なナノカーボン合成反応「APEX*反応」の必須原料として知られている。