コンバーティングテクノロジーセミナー2024(ONLINE)

開催のご案内

ウェットコーティング(単層と重層)の
基礎とトラブル対策

 

<開催日時>

2024年5月10日(金)
【第一部】10:00〜12:00、13:00〜15:00
【第二部】15:15〜16:45
 

■オンラインライブ受講
「Zoom」を利用し、リアルタイム、オンデマンド配信にて開催します。


【開催にあたって】

 加工技術研究会ではウェットコーティングに関する技術セミナーを開催いたします。「ウエットコーティング」とは、有機溶剤や液体に溶解された樹脂を、ベースフィルム上に均一にコーティングする技術です。生産性に優れ、大量生産に向く一方、塗膜の不具合があれば歩留まりが低下するだけでなく、不良やクレーム・返品などの大きな事故に繋がることから、基礎を理解して細心の注意を払う必要があります。
 今回は第1部では大手化学メーカー中堅コンバーターなど、コーティングの現場での実績が豊富な千野先生にウェットコーティングの基礎ならびにトラブルシューティングについて、第2部では、添加剤のエキスパートから、微粒子分散系におけるコーティングトラブルについて学ぶ機会を設けました。初任者向けではありますが他分野から異動してきた中堅の技術者、材料メーカー、装置メーカーのエンジニアなど、コーティングについて学びたい初学者にうってつけの講座です。

 

講師

【第一部 】CN コンサルティング事務所 所長 千野 直義氏

【第二部】 ビックケミー・ジャパン シニアソリューションナビゲーター
若原 章博 氏
 

 <講師からのコメント>

―第一部 千野講師から―
 機能性フィルムを安価に生産するために、ウェットコーティング技術を適用することが多い。ウェットコーティングにおいて、特に水系塗布液の場合、塗布液が支持体に塗り付く濡れ性が重要のため、まず表面張力について説明する。
 塗布方式については、塗布量、塗布速度、塗布液粘度により多くの方式が用いられているが、今回はダイ塗布方式、グラビア塗布方式、バー塗布方式など4方式の特徴について解説するとともに、同時多層塗布方式についても言及する。また、塗布品の品質として塗布の厚み精度が重要であり、ダイ塗布方式による厚み変動要因について解説するとともに、ダイ塗布方式における注目する特許について解説する。
 最後に塗布故障として、ハジキ、パーティクル異常、塗布膜厚異常の現象と対策、更にアンカーコート塗布時の故障解析方法について解説する。

 

―第二部 若原講師から―
 従来の塗料・印刷インク・フィルムをはじめ、インクジェットやLiB電池電極材、セラミックス、3Dプリンティングなど微粒子分散系の塗布は広がりを見せている。その際、基材への濡れや平滑性などアプリケーションにより違いはあるものの、表面・界面に係るトラブルは多い。ここでは、表面調整剤や消泡剤など添加剤による対策について、そのメカニズムとともに述べる。またSDGs達成や循環経済の視点から、開発が進められているバイオベースやPFASフリーの添加剤の開発状況についても紹介する。

 

<講演内容> 第一部 千野先生プログラム

1.ウェットコーティング現象の基礎
  1.1 濡れ性
  1.2 塗布界面
  1.3 支持体と塗布液の表面張力の関係
2.塗布技術の内容
  2.1 塗布操作の基本
  2.2 前計量と後計量
  2.3 塗布技術開発とコストの関係
   2.3.1 広幅化
   2.3.2 塗布高速化
   2.3.3 薄層塗布化
   2.3.4 均一化 他
3.代表的な単層塗布技術
  3.1 リバースロールコーティング
  3.2 グラビアコーティング
  3.3 リバースグラビヤ塗布の塗布範囲、
     故障、塗布量について
  3.4 ワイヤバーコーティング
  3.5 ダイコーティング
4.代表的な重層塗布方式
  4.1 スライドホッパーコーティング
  4.2 ウェブテンションドダイコーティング

 

5.ダイ塗布方式における塗布膜厚分布の要因
  5.1 マニホールド
  5.2 スロット
  5.3 設置精度
6.ダイ塗布方式における注目の特許
  6.1 特許出願メーカ
  6.2 幅方向の膜厚の均一化に関する特許
  6.3 ダイ先端エッジ形状に関する特許
  6.4 バキュームに関する特許
  6.5 間欠塗布に関する特許
7.バー塗布方式による技術課題
  7.1 等ピッチスジ
  7.2 塗り付け安定化
  7.3 耳部厚塗り他
8.塗布故障の原因と対策の実例
  8.1 一般的な塗布故障と原因
  8.2 ハジキ故障
  8.3 乾燥内パーティクル故障
  8.4 塗布液温度による膜厚分布故障

<講演内容> 第二部 若原先生プログラム

1.表面張力のかかわる現象と課題
    コーティング液の作成・塗布時のトラブル
   濡れ・ハジキ・泡・フィラー分散と表面張力のかかわり
   平滑性の制御とのかかわり
2.表面現象を制御する添加剤
   ポリシロキサン系およびアクリル系表面調整剤の構造と特徴
   マクロマー技術による超親水性・撥水性・撥油性の実現
   消泡剤の構造と特徴および最適な消泡剤の選定の仕方
3.環境負荷低減と再生産可能原料を使用した添加剤の開発
   バイオベース及び生分解性を有する添加剤
   PFASフリーの添加剤技術
   層状無機ケイ酸塩によるバリアおよび粘性効果

 

 

講師略歴

<千野 直義氏>

1974年 東京都立大学工学部卒
1974年 富士フイルム(株)入社。富士宮研究所勤務を経て、レントゲンフィルム製造部技術課に所属。
  多層スライドホッパー塗布方式の高速化、ハジキ、スジ対策などで塗布安定化を実施。
1984年 同社生産技術部小田原工場へ異動。ウェブテンションドダイ塗布方式による磁気テープの高速化を達成。さらに同方式 による磁気テープの同時重層塗布技術を世界で初めて開発・生産。
1989年 大河内記念技術賞、化学工学会賞受賞。
2004年 富士フイルム(株)退社、山梨県のコーティング会社に入社。フラットパネル用コーティング製品の塗布故障対策を行い大幅な歩留まり向上とコストダウンを達成。
2008年 品川区に本社のある印刷会社に入社。新規塗布機2台の塗布部を設計、塗布機導入、立ち上げ、自社塗布品生産と共に、受託コーティング事業推進。
2013年 同社を非常勤顧問に就任と共に、CNコンサルティング事務所を立ち上げ、日本、中国、韓国、台湾、ドイツでの講演や塗布技術コンサルティングを行っている。

 

<若原 章博氏>
1982年 名古屋大学工学研究科修士課程修了。同年関西ペイント(株)にて自動車用塗料設計に従事
1990年 河合塾学園ドルトンスクールで幼児教育にたずさわったあと、
1994年 ビックケミー・ジャパン株式会社に入社
  添加剤営業・ラボマネージャ−・技術部長ののち現職。 塗料・インキほか各種コーティング分野で、分散剤・表面調整剤・消泡剤・レオロジーコントロール剤など添加剤の開発と紹介をすすめる。
2015年 色材協会技術賞受賞

 

 

■スケジュール

●日 程:2024年5月10日(金)
形 式:オンライン配信(Zoomウェビナーを使用)
時 間:10:00〜12:00、13:00〜15:00(第一部)
    15:15〜16:45(第二部)
※ 当日聴講が難しい方には録画配信を行います(期間限定)

■受講料

1名様 44,000円(税込、オリジナル予稿集代込)

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企画・運営:(株)加工技術研究会