【軟包装】TOPPAN、日本初のEBオフセット印刷を用いたパッケージの量産開始

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは、日本で初めて、EBオフセット印刷を用いた軟包装パッケージを開発し、2026年5月から量産開始する。
 EBオフセット印刷は、電子線(Electron Beam、以下 EB)を活用した印刷手法で、EBを照射しインキを瞬時に硬化させるため、高温の乾燥機を用いる工程が不要という特徴がある。また、有機溶剤をほとんど含まない印刷手法であるため、VOC(揮発性有機化合物)ガスの排出を大幅に削減する。そのため国内で主流となっているグラビア印刷※1と比較して、印刷工程でのCO₂排出量を約16%※2削減することが可能。
 なお、同製品は、2026年5月20日~22日まで開催される「第28回インターフェックス ジャパン」(会場:幕張メッセ)のTOPPANブース(7ホール 小間番号35-40)にて展示される。

EBオフセット印刷を用いた軟包装パッケージのイメージ

背景
 環境配慮や省資源化推進における世界的な機運の高まりを受け、日本国内でもプラスチック資源循環促進法や改正地球温暖化対策推進法などが施行されるなど、環境配慮に関する取り組みが進んでいる。
 TOPPANグループは、脱炭素社会の実現に向け、2023年よりパッケージを起点としたTOPPANグループのサステナブルブランド「SMARTS™」を展開し、持続可能な社会づくりを推進している。その取り組みの一環として、地球環境に配慮したサステナブルなパッケージ生産手法である「SX生産方式™」の導入を積極的に推進。水性フレキソ印刷※3やデジタルプリント、ノンソルベントラミネート※4などを国内各地の製造拠点で整備してきた。
 この度、環境に配慮した「SX生産方式™」の新たなラインアップとしてEBオフセット印刷の量産を開始し、企業の幅広いニーズに応じた生産手法を選択できるようにした。各企業のサステナブル経営の取り組みにおけるSX共創パートナーとして、持続可能かつ環境負荷の少ない環境配慮パッケージの提供を開始する。

EBオフセット印刷の特長
1.省エネルギーな印刷手法で、VOCとCO₂の排出量を削減
 EBオフセット印刷は、EB照射でインキを瞬時に硬化させるため、通常の印刷手法で必要な高温の乾燥機を用いる必要がなく省エネルギー化を実現する。また、有機溶剤をほとんど含まない印刷手法であるため、VOC(揮発性有機化合物)ガスの排出を大幅に削減する。そのため国内で主流となっているグラビア印刷と比較して、印刷工程におけるCO₂排出量を約16%削減することが可能。
2.高精細な表現や滑らかなグラデーションの再現などが可能
 EBオフセット印刷は、より小さな網点(インキの点)を高密度で配置でき、高精細な表現や滑らかなグラデーションの再現などが可能。これにより特色※5を使用せずに美しい印刷表現が可能。また高温の乾燥機を用いる工程がないため、フィルムの熱収縮が抑制され、印刷見当ずれなどの不具合が低減する。
3.フィルム層数の削減やモノマテリアル化に貢献し、フィルムのリサイクル性を向上
 一般的な軟包装パッケージの印刷では、外部との摩擦によりインキが擦れるのを防ぐため、フィルムの裏側に絵柄を印刷する「裏刷り」が一般的。一方、EBオフセット印刷ではEB照射技術により耐久性のある表面膜を形成できるため、フィルムの表側に絵柄を印刷する「表刷り」が可能。これにより、インキを保護するフィルムの層数を減らすことができ、プラスチック使用量やCO₂排出量の削減に貢献する。
 さらに、熱収縮しやすいポリプロピレンやポリエチレンなどへの印刷適性も高いため、パッケージ包装のモノマテリアル(単一素材)化にも対応可能。

今後の目標
 TOPPANは量産開始に伴い、食品業界や、医療・医薬業界などに向け、EBオフセット印刷を用いた環境配慮パッケージの提供を進め、2028年度までに関連受注を含め約30億円の売上を目指す。
TOPPANグループのサステナブルブランド「SMARTS™」について
SMARTS™
・サステナブルな未来に、スマートな選択を
 「SMARTS™」は、パッケージを起点としたTOPPANグループのサステナブルブランド。パッケージで培った技術・ノウハウに、マーケティング・DX・BPOなどのリソースを掛け合わせ、バリューチェーンに沿った最適な選択肢を提供する。TOPPANは、「SMARTS™」が持つ多彩なソリューションで、ステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に貢献する。
 URL : https://www.toppan.com/ja/living-industry/packaging/sustainability/
※1 グラビア印刷
 有機溶剤インキを用いる凹版印刷の一種。微細な濃淡や質感を豊かに表現し、写真集や食品包装フィルム、ポスターなど高速大量印刷が必要な分野で多く用いられる。
※2 TOPPAN算定。3層構成の同社製スタンディングパウチを対象に、同一構成でグラビア印刷からEBオフセット印刷に切り替えた場合を想定し算定。CO₂排出量の算定範囲はパッケージに関わる①原料の調達・製造、②製造、③輸送、④リサイクル・廃棄。(CO₂排出量の削減率は包材サイズやロットなど仕様・生産条件によって変わる場合がある)
※3 水性フレキソ印刷
 水性インキを用いる凸版印刷の一種。有機溶剤をほとんど含まず、CO₂やVOC(揮発性有機化合物)の排出量を削減。環境配慮に向け、日用品やレトルト用途を含む多様な業界・製品に対応したパッケージ展開が可能。
※4 ノンソルベントラミネート
 有機溶剤を使用しないラミネート方式で、CO₂やVOC(揮発性有機化合物)の排出量を削減。TOPPAN独自の接着剤・加工技術により、レトルト対応パッケージでも採用実績がある。
※5 特色
 CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色インキの組み合わせで調合するプロセス色では再現しきれない色を表現するために、あらかじめ調合された特別なインキ。
【編集部注】TOPPANが導入したEBオフセット印刷機は、スペインCOMEXIのオフセットCI Evolution。日本ではSCREENグラフィックソリューションズが販売している。

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